外国人女性との恋愛について
「外国人女性との恋愛について」
三谷幸喜の新作歌舞伎「月光露針路日本 風雲児たち」歌舞伎座(東京・東銀座)において、
新蔵というスかした色男を演じていた片岡愛之助(松嶋屋)。
ロシアから何とか戻りたいと思っていた大黒屋光太夫(松本幸四郎、高麗屋)一行でしたが、
新蔵にはロシア人女性の恋人が出来ます。
金髪青目の白人のロシア人女性です。
(もちろん歌舞伎ですから男性の役者がそういう設定で演じています)
最終的に新蔵はロシアで暮らすのを選択し、
日本には戻りません。
この場面、実は想像以上に演じるのが難しいと思うのです。
何故なら、如何に平等化が進んだ現代日本においてですらも、
日本人男性が欧米の白人女性と恋愛関係になるのはとても難しいからです。
その逆はありふれていますが、
この事実はお芝居の上でもとても厄介な現実が出て来ます。
通常の歌舞伎においては、
色男の役はそれなりの役者が演じれば客は納得します。
何故なら相手役の女性も日本人だからです。
しかし相手が白人女性の場合、そう簡単には行きません。
余り言いたくはないのですが、
世界的なジョークとして嫌なものがあります。
≪この世に有り得ないもの≫
・アメリカ人の哲学者
・イギリス人の作曲家
・日本人のプレイボーイ
プレイボーイとは話題が豊富で教養があり、
女性の扱いにも馴れている、
弁舌さわやかな欧米的いい男のことを指します。
日本人男性にはコレがいないと言われているのです。
単純に見た目がいい男はいますが、
それでも白人女性と恋愛関係になる日本人男性はほとんどいない寂しい現状があります。
日本的いい男とは、どうしても高倉健的な無口でニヒルタイプか、
ジャニーズみたいな顔はいいけど線の細い男がモテる男となっています。
しかし外国人女性と自然に恋愛するタイプとしては明らかに不適格になります。
ところが片岡愛之助。
充分に納得の出来る演技でした。
ロシア人女性を「女」として扱う様子など、
単にいい男だけでは演じる事など出来る訳はありません。
さすがだな、と思ったのです。
日本人男性にもプレイボーイはいるのだ、と。(笑)
終わり
余談:
新蔵役の片岡愛之助の近くから離れないロシア人女性。
彼女を見ながら「ロシア人女性の割によく気が利くんですよね。」と言います。
この感覚、凄くよく理解できたのです。
上手く作られた芝居だな、と。
実は日本人男性はあまり外国人女性と結婚したがらないと言われています。
1つには「気が利く」「察する」と言った日本人独特の行動パターンに原因があるらしいです。
アチラは言葉の文化なので、自分のやりたい事は必ず言葉で伝える必要があります。
ちなみに留学した日本人が面食らう事に以下のような典型例があります。
「お茶はいかがですか?」と招かれた家庭で聞かれた時、
普通の日本人だったら絶対にこう言うはずです。
「いえ、大丈夫です。直ぐに帰りますので・・・」と。
しかし必ず招いた家の人は日本人ならこう続けるはずです。
「まあまあ、いいじゃないですか。是非お茶を飲んで行って下さいな。」と。
そこで「それじゃあ失礼して・・・・・」と言う半ば儀式のようなやり取りがあるかと。(笑)
しかしどうやら欧米ではソレがないようなのです。
「No」と言ったら最後、次はありません。
上記のような曖昧なやり取りはないのです。
欧米、面倒臭ーと思うのですが・・・・・
よくよく考えると面倒臭いのは間違いなく日本の方です。(爆)