放射線防護服の誤解

先日、テレビを見ていてふと気付いたので記事にしてみたい。

原発事故の作業をしている人達が着ている宇宙服みたいな放射線防護服は、
メディアでも報道されて事故の恐さを浮き出させる。

しかしながら、案外あの服を誤解している人が多いように感じている。

そもそも「放射線防護服」と書かれるケースが多いが、
実はそのほとんどは≪放射線を防ぐことは出来ない≫事実。

何となく全身を覆う宇宙服のようなので、
放射線を完全に遮断してくれていると思っていないだろうか???

ところがほとんどの放射線防護服は放射線を防げない。
(一部、その種の服もあるそうだが先ず見ない)

ちなみに放射線とは「空気中を飛び交っているX線やガンマ線中性子線などの放射線のこと」であり、
放射能放射性物質)とは「放射線を出す物質のこと」であるのに要注意。

放射線放射能の違いをしっかりと理解しておかないといけない。

放射「線」を防ぐのは実は非常に難しい。

鉛などの分厚い金属を使用しないと無理なのである。

あの防護服全部にそんなのを入れたら簡単に100kg以上になりそもそも動けなくなってしまう。

ただし、放射能放射性物質)の侵入を防ぐことは出来る。

従って原発事故現場の作業員達は、作業後、あの全身を覆う服には放射能が付着しているので、
身体の中に放射性物質を取り込んでしまう事態は防げる。

従って本来は放射能防護服と言うべきなのかも知れない。

しかし一般的な呼称としては放射線防護服が使用されいるようだ。

ちなみにこの服はもちろん使い捨てが原則。

一部の金属を入れた本当の放射線防護服の場合は2重構造になっていて、
表面は使い捨てで金属部分は再使用できるようになっているタイプもあるらしいが。

まさか日本もこういう服が大活躍するようになるとは思ってもみなかった。

間もなく3月11日。

忘れてはならない、と思う。

終わり