相撲界の異様な報道について、再び

※ これまた先週一旦アップしておきながら非公開に移していた記事です。
  千秋楽での優勝した横綱の発言を聞いてやはり再アップします。

このところ昼休みにテレビを見ているとずっと相撲界の暴行事件についてしつこく報道している。

昨日の千秋楽では横綱が優勝インタビューで触れていて問題になっているようだ。

テレビ番組では様々な専門家が出演してあ~でもないこ~でもないと言っている。

改めて、かなり異様な報道だと思う。

そしてこの報道姿勢は悪い意味で日本独特の典型的なサンプルであると思った。

その意味で我慢してちょっと見ていた。

各テレビ局の報道は体育会気質と言うか、悪しき伝統社会の土着風土とでも言うべき、
唾棄すべき体制擁護と感じている。

以前から当ブログでは何度も指摘しているが、
普段は民主主義が大切、平和が大切、自由が大切、平等が大切と散々ほざいているマスコミ。

しかしことスポーツになると意識は一気に72年以上昔の戦前へとブッ飛んでしまう。

高校野球丸坊主が清々しいと平気でほざける。

先輩後輩関係とか親分子分関係とかが大好き。

上が右と言ったら右。

たとえ間違っていても右。

それが正しい人間関係、と。

対等に付き合おうとか真実は何なのかと言う姿勢は皆無。

そういう社会を異常に好んでいる人達が意外にも非常に多いのが日本人であるかと思う。

その悪しき典型が今回の相撲界の事件に出ている。

あくまでも今回の事件は「暴行傷害事件」として考えないといけない。

それこそが問題の核心である。

けれども、親方と理事会の関係だとか、
協会の危機管理室?だとか、
はたまたモンゴルから別の元力士がやって来て事情を聴くだとか。

挙句テレビではみょうちくりんな相変わらずの体育会系意見を吐く芸能人。

「オレだったら訴える訳はない」とか何とか。

刑事事件の重みと言うものを全く理解していない連中。

しかもこの業界は一度殺人事件まで起こしている。

その時の部屋や協会の取った対応は「殺人事件ですらも隠蔽しようとしていた」。

伝統的な世界の組織は非常に腐り易いと認識しておくべきだ。

この種の刑事事件が起こった場合は警察の捜査が最優先されるのは当たり前のこと。

しかしそれを感情論で片づけようとする愚かさ。

こんな業界は大問題であると思う。

けれども私達日本人はこの種の問題でも浪花節で考えてしまう。

俺もこうやって苦労してきたんだよ、だからオマエもな、と。

ちなみにこのように偉そうな事を書いている私でも日本人である以上、
この種の非常に危険な思考に陥り易いのは言うまでもない。

一例を挙げておく。

昔、某高校のスポーツ部で生意気な後輩がいて、
先輩にも関わらず、下手だとか気合いが足りないだとか言って、
挙句に暴力も振るっていた。

とうとう頭にキた先輩がある日突然、
この後輩の頭を確かバットだか鉄パイプ?で殴りつけた。

当初、直ぐに補導されて非難された犯人の先輩だったが、
捜査が進むうちに後輩の異常な行動が判明してきた。

こういう時、つまり先輩後輩と言う本来なら絶対に後輩の生意気な態度など許されないスポーツ界において、
タブーを堂々と破ってきた被害者の後輩について大々的なネガティブキャンペーンが行われた。

これは後輩にも問題はある、と。

かなりの情状酌量があったと記憶している。

確かに心情的には私もその時は明らかに加害者に同情的だったし、
今でもそう感じている。

生意気な後輩など、たとえ殺されても文句は言えないはず、と。

これが日本人の感覚なのだ、と思う。

だから今回の相撲界の事件は想像以上に恐い問題なのだと今一度認識しておくべきだろう。

終わり