戦争が始まったら 8

ほとんどのマスコミはミサイルの飛来やテロ、
そして具体的な戦闘についてのみ大きく取り上げている。

ようやく一部のマスコミが伝え始めている。

「戦争の後の占領政策をどうするのか」

戦争は始めるのよりも終結させる方が遥かに難しい。

さらに占領政策はもっと難しい。

現代戦はかつての第二次世界大戦朝鮮戦争ベトナム戦争の時代とは大きく変わっている。

アメリカがハイテク機器を使用した場合、
アッと言う間に制空権や制海権を奪うことができ、
軍事基地を壊滅させることは簡単に出来てしまう。

例えば第一次イラク戦争の時、
多くの日本の識者と呼ばれる連中は、
イラク100万人の精鋭部隊は手強い。
 戦争は長期化する。」と口を揃えて言っていた。

多くの日本人もその言葉を信用していたと思う。

ところがほとんど注目されなかった某軍事評論家は全く違うことを言っていた。

イラク軍はアッと言う間に壊滅し、
 戦争は短期間に終了する。
 時代遅れの100万人の軍隊などお話にならない。」と。

その言葉通り、戦争は短期間で終わった。

この時の「親ブッシュ大統領」は首都の攻略までしなかった。

また、フセイン大統領もそのままにした。

ところが「子ブッシュ大統領」は第二次イラク戦争において、
首都の攻略と占領政策までやってしまった。

現代戦において、武器の進化と共に戦い方は非常に大きく変わっている。

しかし変わっていない部分もある。

それが占領政策だ。

この場合、陸軍の歩兵部隊が首都を陥落させ、
ゲリラを掃討し、武装解除をした上で、
テロを警戒しながらも、その国に政権を樹立させて、
国を統治して行かなくてはならない。

つまり、大きな戦闘により、
相手国の軍事基地を壊滅させて戦争に勝利したとしても、
占領政策を行わない限り、それは真の勝利とは言えない。

これは当たり前だが長い長い道のりとなる。

今、西欧諸国はイスラム国の問題に対して、
本格的な戦争が出来ないでいる。

それはイスラム国が既にかなりの地区を占領し、
そこで異様にも女子供を奴隷化して、
つまり見方を変えれば人質としながら暮らしているからだ。

これは空爆では対処できない。

イスラム国の掃討には陸軍の進軍が欠かせない。

つまり占領政策をしない限り、
イスラム国に勝利したとは言えない。

この場合、戦争には勝利できても、
占領政策が泥沼化するのは目に見えている。

それはアメリカのイラク政策で明らかになっている。

だから本格的な戦争と占領政策が出来ないでいるが故に、
イスラム国は未だに幅を利かせていて、
女性を性奴隷にしながらも各国は助けられずにいるままだ。
(NHKの報道番組が論拠)

北朝鮮問題についても、最も厄介なのは、
戦争後の占領政策となってくる。

北朝鮮の国力とアメリカを比較したら勝負にならないのは明らかだ。

このまま戦争にならないのなら、それはそれで良いが、
その事はこのまま拉致問題が全く解決しないでいる事も意味している。

また北朝鮮核兵器や長距離弾道ミサイル化学兵器問題も放置したままにする事も意味している。

融和政策に全く効果がないのも今までのやり取りで明らかだ。

そのために核保有国になったとも言える。

それではアメリカは北朝鮮の核施設への軍事攻撃だけをやって、取り敢えず良しとするのか?

あるいは小競り合いから全面戦争に突入して行くのか?

少なくとも、国境を接している中国とロシアはどうやら軍を国境線近くに集結させているらしい。

戦争とそれに続く難民を警戒しているのか。

あるいは軍事介入を画策しているのか。

その真意はともかく、彼らは既に備えている。

日本は相も変わらず、こと戦争になると思考停止のオンパレード。

あらゆる可能性を探り、正しい選択肢を充実させて行かねばならない時に、
「戦争は嫌。だから考えない。」
このような連中が如何に多いか。

FBで読んで呆れ果ててしまったのだが、
「戦争よりも某収賄問題の方が大切。」
などと驚くべき論理を展開している連中の記事をシェアしていたりする。

何事にも優先順位があるのは言うまでもない。

戦争とは国家の存亡にかかっている恐ろしい事態なのである。

日本は既に「演習に参加」と言う言葉を使って、
イージス艦を派遣しているのである。

ちなみに再度イージス艦について書いておくが、
ともかく恐ろしい能力を持った空母を護衛するためのものであり、
世界広しと言えども、イージス艦を所有している国は数えるほどしかない。

ちなみに日本はイージス艦保有数がアメリカに次いで第二位だと言う事実も忘れてはならない。

もっともアメリカは85隻で日本は6隻、スペイン5隻、韓国3隻、オーストラリア1隻だが。

果たしてどうなるのか。

全く分からない。