白人女性の井戸端会議

昔、毎朝決まった時間に娘を駅まで送っていた頃の話。

帰りにある大きなマンションの前を通過していた。

するとそこでは女性達が井戸端会議をよくしていた。

ある朝通過しようとしたら異様な雰囲気を感じた。

いつもとは全く違っていた。

何故なら、大勢の日本人女性に混じって、
たった1人だけ白人の金髪で青い目をした女性がいたからだ。

彼女は日本人男性と国際結婚をしたらしく、
エプロンを着て如何にも日本と同化して幸せな結婚生活をするのだと言う意気込みが感じられた。

しかし私は正直不安を感じていた。

一般的にヨーロッパ人は自分のプライバシーについて語りたがらないし、
探られるのも嫌がる。

例えば昔、ドイツ語を習っていた頃、
ある日本人女性生徒がカッコいいドイツ人の中年男性の教師に、
「先生は結婚しているんですか?どんな出会いで?」などと親しくなる前に訊いてしまった。

すると、明らかに気分を害したようだったが、
彼は日本文化をかなりの程度理解していたので、
一応呆れながらも語ってくれた。

それほど、プライバシーに立ち入るのを嫌うのである。

反面、日本人女性の井戸端会議。

プライバシー破壊の最たるもの。(苦笑)

耐えられるのかな?と心配していた。

それからしばらしくして、全く彼女を見掛けなくなってしまった。

少なくとも、井戸端会議に出ていないのは明らかだった。

結婚生活の無事だけは祈っている。

随分前の話なのだが・・・・・

終わり