大学受験の時に親も子供もハマってしまう恐い罠(成績中位層向け)

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これから書く事は偏差値が65以上あるような成績上位者を対象としてはいません。

世の中にはどういう訳か成績上位者の上から目線的な合格体験記しかもてはやされていないと感じます。

受験で一番多いはずの成績中位者は全く無視されているのが現状です。

表に示したように偏差値50台中盤から60台前半くらいまでの、
非常に人数の多い普通の受験生を対象とした話をしたいと思います。

この層の受験生は子供も親も、
成績上位者には余り理解出来ない、非常に恐い思考に陥ってしまいがちなので、
他では余り語られない大学受験の感覚を書いて行きます。

では、高偏差値順に首都圏の主要大学を並べてみたいと思います。

東京六大学&MARCHGです。

サンプルは4大模試の平均値を取ったサイトを参考に法学部を基準にしています。

念のため、偏差値は50が平均で、75が最高、25が最低となりますが、
受験者の得点パターンによっては、受験者個人の偏差値は、
極端な場合100になったりマイナスになったりもしますが、
大学の偏差値の場合、そのようなケースは滅多に無く、大体25~75内に収まります。

東京大学76、慶應大学73、早稲田大学70、上智大学69、中央大学67、明治大学64、立教大学64、学習院大学61、法政大学61、青山学院大学60

これが東京6大学&MARCHGの法学部のレベルとなっています。

他学部も多少上下しますがおおよそこの数値に準じていると考えて良いでしょう。

さて、ここで問題になってくるのは、
偏差値が55~60くらいまでの「層」となります。

そもそも、このくらいの偏差値に位置している受験生自身は親も含めて、
心の奥底のどこかで、東大や京大は無理でも早慶上智はもしかしたら引っ掛かってくれるかも知れないし、
MARCHGは何とかなるだろうと思い込んでしまいます。

そして書店の受験コーナーに置いてある合格体験本を読んだりします。

すると余り勉強をしていなさそうな子が見事に東大とか早慶上智に合格している体験談が載っています。

例えば高校3年生の時に映画を数百本観て東大に合格した、とか、
女の子ともキチンと付き合っていて早慶上智に合格した、とか。

上記の「層」の子も親も、
こういうのに気を良くしてしまい、多分自分も大丈夫だろうなどと思ってしまうのです。

この場合、この「層」の親も子も大きな特徴があると感じています。

目が向いているのが「映画数百本」の部分なのです。

あるいは「男女交際を親密にしていた」の部分なのです。

楽して合格出来るかも知れない、と言う思考パターンなのです。

また、自分の偏差値についても模試の1回のデータだけを頼りにしてしまいがちです。

つまり、大学受験までに最低でも10回くらいは受けるであろう模試の平均値ではなく、
一番良い成績だけを見てしまうのです。

成績が「55~60の層」と言いましたが、
実は最高値が60で、普段は50代前半の子はこの層には含まれていないと言う事実を知るべきです。

「55~60の層」とは、例えば10回受けた模試のうちのほぼ全てで大体55~60を常にキープしている事を意味します。

1回だけたまたま運良く模試で60台前半を出したとしても、
他がダメなら、ほぼダメなのだと言う事実を知らないといけないのです。

何故こんな事を書いたのかと言うと、
この層の受験者の思考パターンは「嫌な事は見ない」「夢だけは一人前」「カッコだけはつけたい」
と言う非常に厄介で恐いモノになってしまいがちだからなのです。

ここで先ほどの合格体験記をよくよく精読してみると、
合格者は東京御三家やら女子御三家の出身者だったりします。

はっきり言ってしまいますと、
成績がせいぜい中の上くらいの偏差値しかない人が、
偏差値70くらいの人の話を参考にしてしまうのは、
「百害あって一利なし」です。

成功者の体験談は凄く貴重だと誰もが思ってしまいます。

そして真似をすれば何とかなると思ってしまいます。

しかし、こと受験に関する限り、絶対に上手く行きません。

大学受験とは、親にとっては我が子の教育の総決算の時と言っても過言ではありません。

子供にとっては今後の人生を大きく左右する1つの分岐点となります。

もちろん、大学受験だけで人生の全てが決まる訳ではありませんが、
非常に大きな分岐点であるのだけは間違いありません。

賢い親達は、我が子が物心つく前から明確な戦略に基づいて勉強をさせます。

そして我が子が小学校を卒業する頃には、普通の大人なら驚くような基礎学力を既に身に着けています。

大学受験において70くらいの偏差値を有しているような子は、
そのような教育を受けて来た者か、天才的な子以外いません。

表を改めて見て下さい。

最上位層の人数と言うのは極めて少ないのです。

だからこその最上位層なのです。

ここで東大に行ける人を確率で計算してみます。

ある学年の人数は決まっています。計算し易いように浪人生は除きます。

日本の場合、その1学年の人数は120万人くらいです。

東大の合格者数は3000人とします。(実際はもう少し多い)

すると、その年に東大に行ける人の数は、120万分の3000となり、
おおよそ1/400と言う数字になります。

つまり、東大に行ける人と言うのは大体400人に1人となるのです。

早慶上智はおそらく30人に1人くらいで、
MARCHGでも15~20人に1人くらいとなるはずです。

もちろん、この数字はかなり大雑把ですが、
周囲のランダムな環境を想像した場合、かなり当たっている数字であるかと思います。

次に合格者数で考えてみたいと思います。

例えば、仮に早慶上智の1学部の合格者数が100人だったとします。

すると、そもそもこの中の80人くらいの合格者は間違いなく東大も受けていると思われます。

また、私大専門で受けている子でも、合格者は70以上の子がほとんどです。

つまり偏差値70オーバーの子達でほとんどの枠が占められてしまうのです。

たまたま体調が悪かったり運が悪い人で落ちてしまう子もいるでしょうけど、
残りの合格者の枠は20人くらいしかないのです。

この枠内に65くらいの平均値を取っている人がギリギリ合格出来る場合があると言う程度です。

ここに偏差値55~60台前半の層が食い込むのは至難の業です。

と言うよりもほぼ不可能と考えた方が良いのです。

MARCHGですらも、模試の平均値として60を超えていない限り非常に難しいのです。

このような数字と先ほどの表を見ると、
早慶上智に合格するのが如何に難しいのか分かるかと思います。

そしてほとんどの55~60の層が間違えてしまう勉強パターンがあります。

一番多いのは英語だと思います。

特に慶應上智の英語は特殊なので予備校でも専門の講座が設けられています。

しかし、55~60の層がこの種の講座を受けても意味が無いです。

先ず分からないはずです。

こういう講座を受けても手も足も出なかったり、
あるいは分かった気になってしまいます。

この層が最初にすべき事は基本を着実にマスターする事であり、
MARCHGクラスの英語の偏差値レベルにする事が先決です。

カッコをつけて慶應英語だとか上智英語をこの層が受けても時間とお金の無駄です。

ちなみに、出来ない子の親ほど子供をそれなりのレベルの塾に無理やり入れようとします。

しかし、基本が出来ていない子をハイレベルなクラスに入れても混乱するだけです。

絶対に成績は上がりません。

極端な例えで言うと、九九の分からない子に微分積分を教えるのと同じ事です。

夢と希望を持つのは大切ですが、自分の実力を冷静に見詰めるのはもっと大切です。

少なくとも、70超えの偏差値を持っているような子は戦略的な人生を歩んで来ているのです。
(1000人に1人くらいいる天才的な人は除く)

それに立ち向かって合格を勝ち取るためにはこちらも戦略的に臨む必要があるのです。

カッコをつけている場合ではなく、もし自分の偏差値が55~60台であるのなら、
自分の弱点を冷静に見詰めて、それを克服すべく戦略的な勉強を開始しなくてはいけないのです。

そうでなければ、早慶上智はおろかMARCHGも儚い夢で終わってしまいます。

偏差値を上げるのは至難の業です。

今の高校2年生はこれからです。

戦略的な勉強を是非とも。

終わり