大学入試システムについて
現在、高校生のお子さんを持つ親にとって、
数年後に控えている大学入試につきましては相当な不安を持っておられると思います。
実際問題として、親世代が受けた当時の大学入試システム(30年くらい前)と、
現在の大学入試システムはかなり違っています。
そこで、おおよそではありますが、
どんな風に対処しないといけないのかを説明したいと思います。
これは体験と塾や学校側のアドバイスも含めた極めて実践的なモノであると思っております。
先ず結論から言いますと。
「非常に複雑になっていて合否が分かり難い」
この一言に尽きると感じてます。
何故こんな事態になったのか?
私は「ゆとり教育」の深刻な影響が大学入試システムにまで及んだ結果だと感じてます。
ゆとり教育とは一言で言うと「勉強の出来ない子を出来るように見せかけ、勉強の出来る子を出来ないように見せかけた教育」であったと思っております。
その渦中にいた親としてひしひしと感じておりました。
その結果、大学側も受験方法をかなり変更してしまったのです。
それでは具体的に説明します。
今の大学受験は大きく大雑把に分けると4つの試験方法が採られています。
・推薦入試
・AO入試
・センター試験を利用した私立大学の入試
・一般入試
それぞれを説明して行きます。
・推薦入試
推薦入試は昔からあるものと同じです。
ただ指定校推薦入試と自薦入試があります。
指定校とは、大学側が高校側に何人と枠を決めて、
学校の成績や出欠状況をベースに合格を決める入試です。
入試方法は大学によってかなり違うようです。
単純に成績だけでは決まらないので、推薦入学を希望される場合は高校1年の時からの素行にも注意して生活しないと先ず無理です。
さらに例えば、慶應大学など難関大学の指定校推薦入学枠を持っている高校は僅かです。
枠があったとしても難関大学の場合は学年で1人と考えた方が無難です。
自薦の推薦入学については、受け付けている大学と受け付けない大学があります。
さらに学部によってもあったり無かったりします。
事前の調査をきちんと行なって下さい。
・AO入試
これは昔は無かったシステムです。
感覚的に言うと、推薦入試と一般入試の中間くらいのモノと考えて良いかと思います。
これは採用している大学としていない大学がありますので、
これまた事前にキチンと調査して下さい。
大体、高校3年の夏くらいから始まり、結果は9~10月に出る入試システムです。
大学によってかなり入試方法に違いがありますが、
一般的には成績表と小論文、面接だけで合否を決めるシステムです。
しかし大学よってはセンター試験を義務付けしたりとか、
かなり分かり難い方法です。
通常は合否が早く分かるため、このAO入試を勧める塾は多いです。
けれども小論文など特殊な対策が必要になって来るため、
一般入試も同時にしようと考えている人にとっては勉強の妨げとなるため、
その選択には慎重にならないといけないと思います。
考え方としては、どうしても行きたい大学があって、
成績も良い、しかし一般入試では無理そうなどと言う場合の一手かも、と感じてます。
受かった場合は一般入試の必要が無くなるため、
心理的・経済的にとても楽になる入試システムとも言えます。
・センター試験を利用した私立大学の入試
これは大変クセモノの入試です。
元々は国公立大学の一次試験だったセンター試験ですが、
今はかなりの数の私立大学が採用しています。
もちろん、今でも国公立大学を受験する場合は必須の試験です。
5教科7科目あります。
しかし、私立大学をセンター試験利用で受験する場合、
3教科受験でも受けることが可能となっています。
これまた私立大学によってかなり変わるのですが、
例えば、A私立大学の場合は5教科7科目もしくは5教科5科目、3教科から選んで受験するなど、独自の教科採用をしてます。
このようなA私立大学の場合、5教科で受けた方が3教科で受けたより合格し易いシステムになっています。
つまりこういう事なのです。
5教科で受けた受験生の枠は10人、3教科で受けた受験生の枠は2人と言う風に、
合格者の数がまるで違うため、センター利用の3教科で受験した生徒は圧倒的に不利になります。
具体的に言いますと、
例えば東京六大学の明治大学、立教大学、法政大学などに、
センター試験を利用して合格をしたい場合は、
そもそも東京大学や早稲田大学に受かる実力が無いと合格出来ないと言われているほどです。
ちなみに慶應大学や上智大学、学習院大学はセンター試験利用の私大入試は行なっていません。
非常に合格が難しい制度と言えます。
利点としては受験料の安さと何校も受ける手間暇が省かれる事です。
今の一般入試は1校につき約35,000円かかります。
これは非常に大きな負担です。
しかし、センター利用の私大入試は1校につき大体18,000円くらいで受けられます。
この点だけは良いのですが、ともかく合格は非常に難しいのです。
・一般入試
これもかなり変わっています。
「いわゆる大学受験」なのですが、
全学部入試と言う新しいシステムをかなりの私立大学が採用しています。
これは、例えばこんな感じです。
私立B大学の場合。
2月1日に全学部入試を行ないます。
2月3日に法学部の入試。
2月5日に文学部。
2月7日に経済学部。
2月9日に商学部。
この全学部入試とはこの日に受ければどの学部でも1つ受けられるシステムの事です。
つまり、2月1日のB大学においては、
受験生は法学部でも文学部でも経済学部でも商学部でもどれか1つ選んで受験出来ます。
しかし、これまた全学部入試は一般入試の範疇ですが、
合格が難しいと言われている受験方式なのです。
一般的に、B大学の法学部にどうしても行きたい場合は、
2月1日の全学部で法学部を選択して受験。
2月3日にもう一度法学部を受験する、と言う風に複数のチャンスが与えられているとも考える事が出来ます。
けれども先ほども言いましたように一般入試は1回につき約35,000円かかります。
5~7校でも受けようものならアッと言う間に20万円を超えて来ます。
家庭的には大変な負担を強いられる受験と今やなっています。
しかし、一番受かり易いシステムです。
国公立大学の入試は昔と大差ありません。
二次試験の受験料も21,000円くらいです。
以上、こんな感じで現在の大学入試は行なわれています。
多少間違いはあるかも知れませんが、
おおよそこんな感じなんだとお考え頂いて良いかと思います。
また、今から数年先には現在のセンター試験は無くなってしまい、
新たなシステムが出来る事になっています。
その際は最大限の注意をもって当たって下さい。
終わり
数年後に控えている大学入試につきましては相当な不安を持っておられると思います。
実際問題として、親世代が受けた当時の大学入試システム(30年くらい前)と、
現在の大学入試システムはかなり違っています。
そこで、おおよそではありますが、
どんな風に対処しないといけないのかを説明したいと思います。
これは体験と塾や学校側のアドバイスも含めた極めて実践的なモノであると思っております。
先ず結論から言いますと。
「非常に複雑になっていて合否が分かり難い」
この一言に尽きると感じてます。
何故こんな事態になったのか?
私は「ゆとり教育」の深刻な影響が大学入試システムにまで及んだ結果だと感じてます。
ゆとり教育とは一言で言うと「勉強の出来ない子を出来るように見せかけ、勉強の出来る子を出来ないように見せかけた教育」であったと思っております。
その渦中にいた親としてひしひしと感じておりました。
その結果、大学側も受験方法をかなり変更してしまったのです。
それでは具体的に説明します。
今の大学受験は大きく大雑把に分けると4つの試験方法が採られています。
・推薦入試
・AO入試
・センター試験を利用した私立大学の入試
・一般入試
それぞれを説明して行きます。
・推薦入試
推薦入試は昔からあるものと同じです。
ただ指定校推薦入試と自薦入試があります。
指定校とは、大学側が高校側に何人と枠を決めて、
学校の成績や出欠状況をベースに合格を決める入試です。
入試方法は大学によってかなり違うようです。
単純に成績だけでは決まらないので、推薦入学を希望される場合は高校1年の時からの素行にも注意して生活しないと先ず無理です。
さらに例えば、慶應大学など難関大学の指定校推薦入学枠を持っている高校は僅かです。
枠があったとしても難関大学の場合は学年で1人と考えた方が無難です。
自薦の推薦入学については、受け付けている大学と受け付けない大学があります。
さらに学部によってもあったり無かったりします。
事前の調査をきちんと行なって下さい。
・AO入試
これは昔は無かったシステムです。
感覚的に言うと、推薦入試と一般入試の中間くらいのモノと考えて良いかと思います。
これは採用している大学としていない大学がありますので、
これまた事前にキチンと調査して下さい。
大体、高校3年の夏くらいから始まり、結果は9~10月に出る入試システムです。
大学によってかなり入試方法に違いがありますが、
一般的には成績表と小論文、面接だけで合否を決めるシステムです。
しかし大学よってはセンター試験を義務付けしたりとか、
かなり分かり難い方法です。
通常は合否が早く分かるため、このAO入試を勧める塾は多いです。
けれども小論文など特殊な対策が必要になって来るため、
一般入試も同時にしようと考えている人にとっては勉強の妨げとなるため、
その選択には慎重にならないといけないと思います。
考え方としては、どうしても行きたい大学があって、
成績も良い、しかし一般入試では無理そうなどと言う場合の一手かも、と感じてます。
受かった場合は一般入試の必要が無くなるため、
心理的・経済的にとても楽になる入試システムとも言えます。
・センター試験を利用した私立大学の入試
これは大変クセモノの入試です。
元々は国公立大学の一次試験だったセンター試験ですが、
今はかなりの数の私立大学が採用しています。
もちろん、今でも国公立大学を受験する場合は必須の試験です。
5教科7科目あります。
しかし、私立大学をセンター試験利用で受験する場合、
3教科受験でも受けることが可能となっています。
これまた私立大学によってかなり変わるのですが、
例えば、A私立大学の場合は5教科7科目もしくは5教科5科目、3教科から選んで受験するなど、独自の教科採用をしてます。
このようなA私立大学の場合、5教科で受けた方が3教科で受けたより合格し易いシステムになっています。
つまりこういう事なのです。
5教科で受けた受験生の枠は10人、3教科で受けた受験生の枠は2人と言う風に、
合格者の数がまるで違うため、センター利用の3教科で受験した生徒は圧倒的に不利になります。
具体的に言いますと、
例えば東京六大学の明治大学、立教大学、法政大学などに、
センター試験を利用して合格をしたい場合は、
そもそも東京大学や早稲田大学に受かる実力が無いと合格出来ないと言われているほどです。
ちなみに慶應大学や上智大学、学習院大学はセンター試験利用の私大入試は行なっていません。
非常に合格が難しい制度と言えます。
利点としては受験料の安さと何校も受ける手間暇が省かれる事です。
今の一般入試は1校につき約35,000円かかります。
これは非常に大きな負担です。
しかし、センター利用の私大入試は1校につき大体18,000円くらいで受けられます。
この点だけは良いのですが、ともかく合格は非常に難しいのです。
・一般入試
これもかなり変わっています。
「いわゆる大学受験」なのですが、
全学部入試と言う新しいシステムをかなりの私立大学が採用しています。
これは、例えばこんな感じです。
私立B大学の場合。
2月1日に全学部入試を行ないます。
2月3日に法学部の入試。
2月5日に文学部。
2月7日に経済学部。
2月9日に商学部。
この全学部入試とはこの日に受ければどの学部でも1つ受けられるシステムの事です。
つまり、2月1日のB大学においては、
受験生は法学部でも文学部でも経済学部でも商学部でもどれか1つ選んで受験出来ます。
しかし、これまた全学部入試は一般入試の範疇ですが、
合格が難しいと言われている受験方式なのです。
一般的に、B大学の法学部にどうしても行きたい場合は、
2月1日の全学部で法学部を選択して受験。
2月3日にもう一度法学部を受験する、と言う風に複数のチャンスが与えられているとも考える事が出来ます。
けれども先ほども言いましたように一般入試は1回につき約35,000円かかります。
5~7校でも受けようものならアッと言う間に20万円を超えて来ます。
家庭的には大変な負担を強いられる受験と今やなっています。
しかし、一番受かり易いシステムです。
国公立大学の入試は昔と大差ありません。
二次試験の受験料も21,000円くらいです。
以上、こんな感じで現在の大学入試は行なわれています。
多少間違いはあるかも知れませんが、
おおよそこんな感じなんだとお考え頂いて良いかと思います。
また、今から数年先には現在のセンター試験は無くなってしまい、
新たなシステムが出来る事になっています。
その際は最大限の注意をもって当たって下さい。
終わり