イギリス映画「サマーストーリー」

物凄く印象に残っている古いイギリス映画の小品である。

おそらく個人的に映画の5本指に入るくらい素晴らしいと思っている。

そもそもヨーロッパの映画って心理描写が凄いと思う。

この映画は切なくて切なくて・・・・・

上流階級の非常に純粋でカッコ良い若い男が田舎を夏に旅し、
農家の娘と激しい恋に落ちる。

結婚するつもりで一旦ロンドンに戻ろうとするが数奇な運命に翻弄される。

途中の街で上流階級の知り合い(男)と出会う。

そこで魅力的な上流階級の娘(知り合いの妹)とも知り合ってしまう。

若い男は実家からの送金を待ち続けるが、なかなか届かず、待つ事しか出来ない。

その空き時間に、知り合いの妹との会話が弾む。

洗練された言葉とオシャレな格好。自分と同じ上流階級の女性・・・・・

農家の娘とはなかなか再会出来ない・・・・・

そして追って来た彼女と再会か?と言う瞬間・・・・・

その若者は何故か意図的に姿を隠してしまう。

失意のうちに田舎に戻る娘・・・・・

男には階級を飛び越える勇気を持つ事が出来なかった。

タイミングの悪さが男の意志を挫けさせてしまった・・・・・

悪い男では無い事は、演技からも良く理解できた。

男は結局その上流階級の女性と結婚する。

子供には恵まれないながらも幸せな人生を送っていた。

そして年月が流れ再び男はかつて愛した女のいた場所を旅する。

そして・・・・・

ショッキングなラストシーン。

運命の悪戯。

さすがにこんな映画はイギリス人でなきゃ撮れないと思った。

善良な人間?
優しい人間?
弱い人間?
数奇な運命?

最強に良い映画だと思った。



余談:ラストシーン・・・・・
   
   その田舎娘は体調を崩し、男を待ち続けた挙句、死んでしまっていた。

   しかし、妊娠していた。

   子供を産むと同時に死亡・・・・・

   村で育てられていた・・・・・

   その事を、かつて田舎娘を愛していた田舎男から知らされる。

   主人公の年を取った男が、再び訪れたその村を去る時、
   一人の青年が前から歩いて来る・・・・・

   紛れもない自分の息子・・・・・

   ちょっと会釈をして、そのまま自動車は去って行く・・・・・