漫画「浮浪雲」・・・無学な親と天才の子

漫画で「浮浪雲」と言うのがある。

江戸時代の終わりが舞台となっている。

雲助の頭領が主人公。

(註:雲助とは江戸時代の駕籠かきのこと)

ある回のお話。

ある雲助の無学な夫婦に男の子がいた。

その子はいわゆる天才で、
長崎に最先端の西洋学を学びに行く事が決まっている。

我が子を誇りに思う無学だけれど雲助の善良な夫婦・・・・・

一生懸命に我が子を育てる。

文字の読めない夫婦は、ある時、我が子の日記を見つけ出す。

主人公の息子(寺子屋通い)に読んでくれ、と頼む。

「僕には、親がいません。

 今は雲助の○×さん夫婦に育てられています。

 ○×さん夫婦は良い人だけれど、無学で下品です。

 僕は、いずれココを出て、長崎に行き、学者になるのを夢見ています。

 ・・・・・・・・・」

愕然とする雲助夫婦・・・・・

「あの子は間違いなく、私たちの子なのに、なぜ???」と。

主人公の息子は言う。
「あの子は天才なんです。

 下品で無学・・・・・
 
 自分の親を親と思いたくないんじゃないかな???

 だからこんな事を書いているんだと・・・・・」

泣き崩れる善良な雲助夫婦・・・・・

なんとなく・・・忘れられない一話である。

終わり