善政とは???

昔、代々木ゼミナールの多久先生の漢文の授業で習った事。

もう、出典は忘れている。

中国に、昔、素晴らしい政治をする王様がいた。

その名は他国にも知られるほどの善政であった。

しかし、ある日、王様は自分の政治が本当に上手く機能しているのか心配になった。

そこで、お忍びで、旅装束をして街に出た。

人をつかまえて次から次へと訊いてみた。
「この国の政治はどうですか?」と。

すると、尋ねる人全てが、
「本当にこの国は素晴らしいです。
 ○×王のお陰で良い暮らしが出来てますよ。」
と、判で押したように王の政治を絶賛した。

しかし、王はどうしても信用できなかった・・・・・

ある農村に行って、農民達に訊いてみた。

すると、同じような答えが返ってきたが・・・・・

突然、どこからともなく老人が現れて言った。

その老人は腹が出っ張って、太っていた挙句、
酔っ払っていた。

口々に王を絶賛する人に向かって、
こう歌い出した。

「♪♪~俺たちは、種をまく。

 日が照り、農作物が勝手に育つ。

 ソレを刈り取り、俺たちは食べて飲む。

 コレが何で王様と関係あろうか~♪♪」

そして、上機嫌でその老人は去って行った。

ココに至り、その王は自分の善政を確信し、城に戻って行った・・・・・


多久先生は言われた。

「この意味が分かりますか?

 善政とは、政治を感じさせない政治が一番良い政治だと言っているのです。

 考えても御覧なさい。老人は弱者です。農民も弱者です。

 その農村で、老人が肥え太り、酒を飲み、言いたい放題・・・・・

 これこそが、善政である。」と。

さて、今の日本は果たして・・・・・???

終わり