「真の闇」と災害対策

普通に都市生活を享受している者は「真の闇」とは無縁の生活をしている。

ごく一部のアウトドア経験者以外は、
おそらく「真の闇」を経験する事は、
防災センターにでも行かない限り体験できない。

星明りや月明かりのない曇った夜の山岳地帯のみに、
「真の闇」がある。

そして、もし、夜間に震災がやって来た場合、
我々は「真の闇」の中で行動をしなくてはイケなくなる。

都市部において大停電が発生し、
普段とは全く違う異質な闇の世界が展開される。

大抵の場所では、街の明かりや自動車のライトのせいで、
都市部においては光の洪水状態となっている。

ちなみに、その光害がどのくらいのものかと言うと、
首都圏からは100km以上離れないと、
天の川が見られないほどなのである。

さて、阪神淡路大震災新潟中越地震の体験者は、
真っ先に「懐中電灯」を必需品として挙げている。

人間は本能的に闇を怖れるし、
また、闇の中では無力になる。

以前にも書いたが、
キャンプの時に「真の闇」を前にした時、
強力なマグライトを持ってしても恐怖を感じた。

防災センターに行くと、色々体験できるが、
「煙の迷路体験」以外に「闇の中での避難体験」と言うのも、
横浜市民防災センターにはあった。

恐怖度は「煙の迷路体験」の方に遙かに軍配が上がるが、
「闇の中での避難体験」と言うのもなかなか凄い。

手探りで壁沿いに進むしかないのだが、
途中にタンスっぽいのが倒れていたりして大変であった。

その様子がマジックミラーで外部の人達が見られるようになっていたが、
闇の中での人間の行動・・・無力である様がありありと分る。

やはり、懐中電灯一つ枕元にあるかないかで変わってくるだろう・・・

夜間の震災時・・・光の無い世界が予想される・・・
(--)