「中学受験の失敗学 志望校全滅には理由がある」

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「中学受験の失敗学 志望校全滅には理由がある」
瀬川松子著、光文社新書、本体740円(税別)。

書店で見つけて買ってしまい、
内容の面白さから、アッと言う間に読み終えた。

これは見事な本である。

中学受験の「危機管理本」としては初めての書ではあるまいか?

今年2月の首都圏の中学受験は「6万人を超えた」そうだ。
首都圏の6年生は3000人くらい減るので、
昨年の最強の厳しさよりは幾分軽減される、と言われていた。

しかし、蓋を開けてみれば、
受験率がさらにアップしてしまったようだ。

来年2月の首都圏の中学受験・・・「サンデーショック」の年・・・
凄まじい受験が今から想像できる・・・

さて、大抵の真っ当な親であるのなら子供に対し、
「勉強」をさせる事にためらいなどないはずだ。

一生懸命勉強してもらい、
教養と学歴を身に付け、社会に飛び出してもらい、
幸せな結婚生活を歩む。
(もちろん、受験と言うのは1要素に過ぎないのは言うまでもない)

だからこそ、今、首都圏では凄まじく中学受験が過熱している。

しかし、大抵の親は、特に日本人には、
「危機管理」が欠如している場合が多い。

災害対策など全くしていない人がかなりな%で周りに存在している。

この感覚で中学受験に臨む親が、やはりある%で存在している。
「失敗する訳がない」と。

この本の中では「ツカレ親」と言う単語で表されている。

私の解釈だと「ツカレ親」=「憑かれ親」である。

ツカレ親はモンスターペアレントとは全く違う。
むしろ、常識人なのであるが、
子供の受験に関してのみ「憑かれてしまう」のである。

この感覚は非常に良く理解できる。

さて、この本にはいくつかの事例が載っていたが、
これは特殊例ではない事が分る。

そこで「私の周りで」実際に起きた事例を挙げておく。

四谷大塚の偏差値で50には届かない。
受験校「慶應普通部」「鎌倉学園」「逗子開成」・・・この3校のみ。

四谷大塚の偏差値で45くらい。
受験校「浅野」「サレジオ」「逗子開成」「鎌倉学園」・・・???
塾側の再三の指導にも係わらず父親が断固として受験を強行。

偏差値不明。
親は凄い金持ちで個別指導塾に通い続ける。
ちょっとポーっとした感じの、大変良い子。

上記3名・・・全滅・・・

ちなみに結果オーライではあるが、
「偏差値60以下の学校は受けさせない」と言う親が実際に小学校のクラスにいた。
結果的に四捨五入してギリギリ60の学校に入学できた。

忘れてはいけない。

「中学受験において、偏差値50以上の学校は『落ちる人の方が遙かに多い』と言う事実を」

親が憑かれてしまい、
勝手な希望的観測だけで事に臨むと取り返しのつかない事態になる。

「危機管理」・・・これは何も震災だけの言葉ではなく受験にも当てはまる。

非常に良い本が出たものだ。

ただ、家庭教師の方が書いた本なので、
家庭教師を使っての中学受験に重点が置かれているが、
それでも塾の勉強をメインに置いているのは偉い。

さあ、もう年末である。
中学受験生は「偏差値の世界」からは脱却した。
(全ての模擬試験は終了している)

これからは「体力」「気力」「根性」「運」「縁」と言った、
神がかり的な世界に突入する。

キットカット」「カール」と言ったお菓子を買い込む季節でもある。
(「きっと勝つ」「受かーる」と言うゴロ合わせから受験生に好評)

あと受験前には「ぶどう糖」!!

これからの「出願」・・・「危機管理をどうぞ充分に!!」
(^^v