キャンプ騒動その5[謎のチャルメラ]

キャンプ騒動その5
[謎のチャルメラ]

平成15年11月1~3日
天候:雨のち曇りのち晴れのち曇りのち雨
気温:昼間暖かく、夜寒く、明け方非常に寒い

11月1日(朝のうち雨のち晴れ)

今回は前日の天気予報で、雨のち晴れと言っていたから、
遅い出発とした。
再々懲りずに「ウェルキャンプ西丹沢」に向かう。
今回の目的は「紅葉狩+キャンプ場をベースにした登山」である。

途中大きな渋滞もなく大井松田インターに着き、
さらに国道246号線も順調だ。

道路が意外にもすいているので、
前々から気になっていた「洒水の滝」という看板が目に付き、
思い切って行って見る事にした。

246を左折して1km行くと滝への入口がある。
5分ほど歩くと滝に到着。
この寒い中、滝に打たれる修行の人も見られた。
紅葉も始まっており、なかなか見ごたえのある滝でした。

そんな寄り道をしたので、
キャンプ場に到着したのは2:00過ぎ。
やはり季節外れ、すいている。

子供達は焚き火に夢中だが、
私は一人で設営し、夕食の用意までして、疲れてしまった。
明日の登山に備え早い就寝の時間と相成った。

しかし夜9:00くらいだろうか?
「♪♪たりら~りら、たりらりらら~♪♪」という、
例のチャルメラのテーマ曲が聞こえてきた。
「子供の悪戯か?それにしてもリアル過ぎる!
こんな山奥になぜ?人も少ないのに?!」
しばらくすると聞こえなくなった・・・
私は解せないまま眠りについた???
(翌日夜判明する)


11月2日(晴れ)

今日は本格的な登山道を歩く予定。
子供にも軽登山靴をはかせる。
目的地は丹沢一大きい「本棚の滝」と「下棚の滝」である。

登山道の入口でもある西丹沢自然教室に寄り、
受付の人に「この装備、この年齢で大丈夫でしょうか?」と聞く。
受付の人はしげしげと子供を眺めた後、
「う~ん、先日の大雨で橋が大分流されてね~、道も荒れてるし。
う~ん、まあ大丈夫でしょう。ダメだと思ったら引き返してね。」
と言われる。
親切にも、詳細な手書きの地図をコピーした物までもらう。
(この地図はこの後大変な活躍をしてくれた)

いよいよ本格的な登山道を歩き始める。
しかし、いきなり一本目の橋が流されている!!
思案した挙句、浅いところを石伝いに慎重に向こう岸に渡る。
しばらく行くと再び朽ちかけた橋が斜めになって沢にかかっている。
その先も岩がゴロゴロした、とても登山道とは呼べない荒れた道である。

以前、丹沢表尾根を縦走した時の整備された道とは全く違う。
西丹沢は良く言えば自然のまま、
悪く言うとほとんど手入れされていない危険な道である。
すれ違う人もあまりいない。
道標には1.65km先、
ガイドブックでは40分の歩行時間、とあったが、
これはかなり手ごわそうである。

私は「やめよう。危険過ぎる」と言ったが、
意外にも子供が「いやだ、絶対滝を見る」と言い張る。
試しに斜めになった梯子状の橋を蟹歩きで渡らせると、
怖がらずにキチンと渡る。
(幸い高い橋ではない。落ちてもずぶ濡れ、軽い怪我程度)
逆に今回一緒について来た私の妹がビビっている始末である。

「では、慎重に行こう。」と登山を続ける。
途中そんな橋が10くらいあり、
道もかなり険しく(途中で足を挫いて降りてくる女性とすれ違ったほど)、
またルートファインディングも難しかった。
もらった地図がなかったら迷っていたかもしれない。
(その地図を持ってしても、
途中2回ほどGPSレシーバーを取り出し、
GPS衛星のナビ支援を仰ごうかと思ったほどである。
幸い何とかなった。)

景色が同じ様に見えて惑わされる場所があったり、
道が分岐している肝心要の場所に道標がなかったり、
今歩いているのが登山道なのか沢なのか獣道なのか区別がつきにくかったり、
ともかく危ない感じのする登山道であった。
(ちなみに、地図は国土地理院二万五千分の一、
山と渓谷社の詳細地図、インターネットで取った写真付きガイドを携帯し、
仮想体験済みのつもりだったが、それでも難しかったです)

よく皆さん迷わずに歩けるものだと感心してしまった。
途中すれ違った人にも「大丈夫でしょうか?」と聞くが、
皆一様に、ちょっと考えてから「う~ん、(←このう~んが曲者である)
まあ大丈夫でしょう」と言う。

後日談:
実際に山を本格的にやっている従姉妹のグループが、
以前この場所で霧にやられ、遭難しかけたそうである。

結局途中の昼食、小休憩を含めて本棚の滝まで2時間以上かかってしまった。
本棚の滝は季節のせいか水が少なく、
70mの落差というが、大した事はなかった。
逆に下棚の滝は50mの落差だが、
滝壺まで行けるのでかなり迫力があり、
またその途中の沢でヤマメが見られ感動してしまった。

何とか夕方まで下山でき、
疲れたけれども充実した山歩きであった。
(ちょっと怖かったけど)

その夜、疲れて寝袋にくるまっていると、
再び「♪♪たりら~りら、たりらりらら~♪♪」が聞こえてきた。
夕食のカレーが足りず、お腹が減っていたので、
ダメもとで音のする方へ、懐中電灯を持ち行ってみる。

すると暗闇の中に赤い堤燈が浮かび「ラーメン」と書いてある。
まぎれもなく「チャルメラ」だ。
もちろん客は一人もいない。

おそるおそる近づくと、オヤジが運転席で雑誌を読んでいるようだ。
向こうもまさか客が来るとは思ってなかったようで、
お互いビックリする。(笑)

ニンニクラーメンを注文しキャンプサイトに戻り、
ひっそりとタープの中でラーメンを食べた。
なかなか美味しかった。

しかし今になって良く考えると、
あれは本当にラーメン屋だったのだろうか?
あの辺りはムジナがいてもおかしくないと思うし。。。
そういえばあのオヤジ、何となく狐に似ていたような・・・
朝テントの周りに落ち葉がやけに沢山あったような気が・・・
気のせいだろうか?
(^^;


11月3日(曇り後雨)

昼近くから雨との予報で、
早々と撤収作業を済ませ、
最後の焚き火をした。
終わった途端に本格的な降りになる。

昼は屋根付きのキャンプ場のバーべキューセンターで、
バーベキューをした。
凄いボリュームで大人一人¥1、500-。
大変結構ご結構であった。

雨が降り、霧も山にかかってくるが、
紅葉した風景と相俟って素晴らしい絶妙な眺めである。
バーベキューしながら、余裕の紅葉狩。
(何せ撤収は完了している。余裕である)

今回は登山プラス最後に素敵な「紅葉狩」まで出来、
大変楽しかったです。
(ほぼ渋滞なしで帰れたのもラッキーでした)

ただし、露天風呂は今回は山男軍団が後から入って来て、
ちょっと興ざめでした。(ー_ー)

それでは皆様ごきげんよう!!
(^_^v