カッコいい本とカッコいい読書人(笑)

この話は本の内容の理解とか、
読書の意義とかではない。

あくまでもカッコいいなと思う本と、
カッコいいなと思った読書人についての、
徹底的に外見的な話題となる。

読書とは実に地味な行為だと思う。

そもそも傍から他人が見ていると動きがない。

さらに大抵は家でする行為でもある。

とは言え、電車内や何かの待ち時間、あるいは喫茶店やファミレスでする人も多い。

公園でしている人もいる。

こういう外で読書をする人を目の当たりにすると、
地味なんだけど読んでいる本が気になったりする。

実際、絵画でも読書をしている人を描いたものが結構あったりする。

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掲載した絵は黒田清輝の有名な「読書」。

上野の黒田記念館で私が撮影した写真。
(ちなみに黒田記念館は撮影可)

実は先日、新宿末廣亭で並んでいた時に、
あるコピーした資料を読んでいたのだが、
近くにいた女性が余程気になっていたらしく、
末廣亭に入場してから「何を読んでいたのですか?」と聞かれた。

それほど人によっては他人が読んでいるものが気になるのである。(笑)

そして読んでいる内容が分かると・・・・・

何故かそれが大衆小説だったりするとホッとすると同時に、
「ふ~ん、この程度か」などと妙に優越感を抱いたりする人もきっと多いはず。(笑)

だが時折、度肝を抜かれるような本を読んでいるヤツがいる。

貴方にとってそれが何なのか???

そういう事を考えるのも面白いと思う。

実は私のケースの場合。

明確なある1つの体験がある。

かなり昔の、少なくとも1981年くらいの話になる。

場所は深夜のファミレスだった。

男がたった1人で週末の深夜のファミレスに来て、
コーヒーを飲みながら読書をしていたのである。

しかも厚手の単行本を。

これは気になる。

一体アイツは何を読んでいるのだろうか???

幸いソイツはブックカバーをしていなかった。

分かってしまったのである。

非常に特徴的な本だったから。

驚くべき事に、新潮社から出たばかりのカフカ全集の1冊を読んでいた。

イメージ 2


深夜、たった1人でファミレスに来てカフカを読んでいるヤツ。

これを上回るカッコいい行為は滅多に存在しないと思う。(笑)

そもそも新潮社のカフカ全集は装丁がメチャクチャカッコいい。

布っぽい仕立てで、F.Kafkaと刺繍ぽい感じでネームまで入っている。

そんな本を深夜のファミレスで読んでいるヤツ。

何をどう考えても只者ではない。(笑)

昨今はiPadだとかを使用した電子書籍もあるにはあるが、
何故かアレで読書をしている人は滅多に見掛けない。

やっぱりカッコいい単行本で読書してこそカッコいいと思う。(笑)

終わり



余談:

最近は地下鉄に乗ってもほとんどの人はスマホをイジっている。

ところが先日、私が座っている両隣と前の座席の数名、
つまり私の周囲にいた人全員が本を読んでいた。

これは偶然とは言え、かなり珍しい現象だと思った。

実はその時の私はスマホをイジっていたのだが・・・・・

ハッとその状況に気付き・・・・・

スマホを鞄にしまい本を取り出したのは言うまでもない。

読書の世界にも見栄はある。(笑)