闇の中で動いてはいけない

山で遭難して一晩過ごす場合、
動いてはいけないとよく言います。

暗闇で活動すると非常に危険、と。

昔読んだ山関連のエッセイに恐い体験談があり、
思い出したので書いてみたいと思います。

そこそこのベテランの登山者(外国人)の2人組が、
確か中南米の山登りに行ったのですが、
そこは山と言うよりはハイキングコースでした。

それほど高い場所ではありませんでしたが、
道に迷ってしまい、一晩を過ごすことになってしまったのです。

その一晩過ごす場所の近くには斜面があったそうです。

懐中電灯で照らすと、感覚的にその斜面は数十mくらいの高さであり、
降りたら元の道に戻れる、と言う根拠のない確信が何故か夜に出てきたそうです。

そこで「この斜面を今持っているロープを使用して下りてみないか?」と言ったそうなのです。

ところが友人は「いや、止めておこう。分からないのに下りるのは危険過ぎる」と言われ、
それもそうだとこの2人組は一晩をそこで過ごしました。

翌朝。

さて下りようかと思って斜面を覗き込んだら。

数100mの高さの断崖絶壁だったそうです。

終わり