男同士だけが分かり得るある感覚について

これから書く事は、ある特定の男同士でないと分かり得ないのでは?と思われる感覚についてです。

同じ状況になったとしても、
女同士の場合では感じないようにも思えるのです。

最初に断言しておきますが、
絶対に同性愛的なものではありません。

ある種の共感、ある種の相互理解、それも瞬間的な、と言った感じです。

私の場合は過去に、大きなものとしては2回しかありません。

いずれも外国人男性でした。

具体的に挙げます。

最初はロンドンの大きなレコード屋さんでの出来事でした。

イギリス最大級のお店で、店内には所狭しとCDが並んでいました。

私は好きなクラシック音楽のコーナーにいたのです。

すると狭い店内の向こう側からイギリス人紳士がやって来て、
擦れ違いが出来ない状況になりました。

目と目が合って、即座にお互い譲り合ったのですが、
瞬間的に相互理解が出来たと言った感じだったのです。

クラシック音楽のコーナーにいる東洋人の若い男(私。当時)に対して、
良くぞ、この西洋文化を理解してくれているな、と言う温かい感情。

この時の感覚はもう四半世紀経過しているのにハッキリと覚えています。

次に同じように感じたのはつい最近の事なのです。

場所は歌舞伎座でした。

フランス人の男がいたと言う話は書いていますが、
この時の感覚については書いておりません。

実はロンドンの時とは立場が逆転していますが、
全く同じ事を感じたのです。

そのフランス人は1人で歌舞伎を観に来ていました。

後ろの婦人が興味をもったのか話し掛けていました。

すると流暢な日本語で、私はパリに住むフランス人で、
日本にはよく来ているが、来る度に歌舞伎を鑑賞しています、と答えたのです。

その後、夫人と二言三言交わした後に、
入場開始となったのですが、
その時、そのフランス人と目と目が合ったのです。

歌舞伎座の客は圧倒的に女性が多いです。

男性は少ないです。

しかも1人で来ている中年男性は珍しいと言ってもいいでしょう。

私は母と来ていたのですが、
母は壁際にいたので、彼は私を1人で来ている中年男と思ったようです。

「強い共感」

一瞬なのですが、非常に強い共感を感じたのです。

自国の古典文化を理解して来る外国人に対する敬意と共感と。

これは男同士だけの特権ではないだろうか?と思ったのです。

いや、待てよ・・・・・

女のあの社交能力の高さを考えると・・・・・

そんなの簡単にヤってそうな気もします。(爆)

終わり