スマホやパソコンのデータは消去しても消えていない(デジタルフォレンジック)

昨夜、NHKのクローズアップ現代に非常に興味深い特集をやっていた。

それが掲題のデジタルフォレンジックと呼ばれるものだ。

これは、例えば壊れたスマホやパソコンに入ったままになっている情報を取り出す技術の事で、
ここ数年で飛躍的に進歩しているらしい。

番組ではさすがにNHKなので、
お堅いケースしか報道していなかった。

例えば、亡くなった人のスマホ内の情報でも、
ネットバンクをきちんと開示させないと遺産相続に困る、とか。

このように、具体的な財産と、思い出のようなものを分けて考える必要があるとは言っていた。

今の技術では消したと思っているデータでも見事に再現できてしまう。

例えば、報道では、パソコン上にある写真データを削除したが、
それだけではアッと言う間に復活させていた。

「こんなのはお手の物ですよ」と操作していた専門家は豪語していた。

今や、被災で泥に浸かっていたデジタルカメラ内の画像データまで見事に再現させていた。

番組ではチラリと触れていたが、
故人のデータを再現させた場合、
そこに第三者のプライバシーまで出てくる可能性があると言う事実だった。

番組のボードには「不倫」「浮気の調査」などと言う語も並んでいたが、
実際のところ、この種の問題は避けては通れない。

むしろ、これこそが非常に重大な問題であろう。

例えば、故人のスマホのデータを開示したところ、
〇×さんと不倫していた事が発覚した場合、
どのように対応したらいいのだろうか?

今の日本の法律では「死んだ人のプライバシーに関するものは存在していない」そうだ。

つまり歯止めが全くない状況。

今後、このデジタルフォレンジックの問題は非常に重大になってくる。

死んだ後のプライバシーをどう保護するのか。

また、死んでなくても、
自分のスマホやパソコンはたとえ壊れても迂闊に人に渡すべきではない。

それが業者であっても、だ。

番組では、パソコンを破壊しまくって、
中身も取り出してズタズタにしていたが、
それでも見事にデータを再現していたのだ。

デジタルデータは消せない、と思っていた方がいいだろう。

また、そのパソコンやスマホがいつどんなところにアクセスしていたのかも正確に分かってしまう。

証拠を消したと思ってももちろん消えていない。

ここまで書くとビビる人も非常に多いと思うが、
実際に私もビビったが、
番組では専門家は、今の段階ではそこまで恐れる必要はないとも言っていた。

何故なら、現実の世界でも、誰でも歩けば足跡は残るし、
人の記憶にも残る、それと同じだ、と。

個人として今の段階で注意しておくべき事は、
ネットバンクなどを利用していた場合、
暗証番号は自分の亡き後は家族に託せるように予めタンスなどに入れて、
その事を知らせておくべきだろうと推奨していた。

思い出に関しては、触れるのか触れないのかは各人の問題であり、
対応は非常に難しい、とも。

未だかつてない面白くも恐い時代に突入している。

終わり