混雑する美術展に多数出没する素人感満載の人達の考察(苦笑)

混雑する美術展は結構あります。

酷い場合は入場規制がかかるケースもあり、
それは特に珍しくもないところが凄いです。

普段、自分の周囲の人達と話していて、
「休日は美術館に行きます」と言うタイプの人は滅多にいないかと思います。

少なくとも私の周囲でも、自分の家族を除いたら、
美術館に行っている人達は極めて稀と言ってもいいです。

ところが美術展に行くと、
世の中には隠れ美術ファンがこんなにいたのか!?と驚くほど混雑するのであります。

しかしながら。

よくよく来ている人を観察しますと。

大変残念ながら、
自分の事は棚に上げておくとしまして(笑)、
混雑する美術展においては、
「素人感満載の人達」で溢れかえっております。

例えば、どういう訳か入口付近でかたまって動かなくなった挙句、
入口近くの作品から「長蛇の行列を作って」順番にじっくりと眺めようとします。

係員が「行列を作らないで下さい。順番ではなく、空いている作品から観て下さい。」
と声を掛けても行列はなくなりません。

このため、人気美術展の入口付近は大変な混雑となってしまい、
それが入場規制に拍車をかけていると思われます。

また、作品鑑賞の仕方も異様で、
例えば「モネの作品の直近で眺め続ける」。

これは大変迷惑です。

印象派の作品鑑賞には距離が必要なのに、
ただひたすら直近の一見すると荒々しいだけのタッチを不思議そうな顔をして眺めて続けている、とか。

正直、こう言いたくなります。

「分かる訳ないだろう?そんな位置からでは!!
 オマエ、普段から美術鑑賞していないんだろう?」と。(苦笑)

あるいは。

「非芸術子供」を連れて来てしまう親とか。

普段から美術館に親子で来ているような家庭の子は全く違和感なく美術館に溶け込んでいます。

しかしながら「何か有名みたいだよ♪♪見ておこうか?」的家族が親子で来てしまった場合。

「非芸術子供」は間違いなく直ぐに飽きてウロウロし始めます。

それも厄介な事に通常の空いている美術展の時には絶対に来ませんから、
混雑する美術展でジャンプしたりしている訳です。(苦笑)

ちなみに私の妹は盛んに言います。

印象派作品の直前でジーッと眺めて動かないヤツ、非常に腹立たしい!!」と。

私の娘は盛んに言います。

「巨大展示会に来る客って素人感が凄い!!」と。

いずれも憎々し気に。(苦笑)

実は私も・・・・・

正直に言ってしまうと。

「そんなに好きじゃないならわざわざ来ることもなかろう」とは思ってしまいます。

「ミラクエッシャー展」「モネ それからの100年」・・・・・

凄かったです。(苦笑)

終わり



余談:

特にミラクエッシャー展の混雑の仕方はハンパなく、
入場規制40分でした。

若いカップルで、彼女に無理やり連れて来られた的なのがいて、
人間観察的には非常に面白かったです。

明らかに彼氏は不機嫌になってました。

「雨の中、間もなく台風が来ると言うのに40分外に並ばせられた挙句、
 訳の分からない騙し絵を延々と見続ける行為」

↑これに腹を立てない男がいたら珍しいと言えましょう。(笑)
(もちろん非芸術趣味の男だった場合です)

しかし彼女を余程好きなのか、
「ねえ、退屈しちゃった?」と問う彼女に対して、
「う~ん、まあ、その~僕は・・・」と、しどろもどろだったのが男の優しさを物語っていました。(笑)

世の中には草食系男子が多いのをいい事に、
明らかに芸術趣味ではない男を連れて来てしまう女子が結構います。

はっきり言って「罪」だと思います。

美術館が余計に混雑した挙句、
不機嫌になってしまう男を量産するからです。(苦笑)

非芸術趣味の男にとって、
エッシャーもモネもゴッホフェルメールも全部同じなのです。

全て「退屈」と言う一点において。(笑)



余談2:

「モネ それからの100年」展において。

奥さんに無理やり連れて来られた系の旦那。

モネの結構な大作(ただし晩年の)の前で呆然と立ち尽くしていました。

首をかしげながら無理矢理見ているのが分かりました。

直前で、長い間、ずっと。

奥さんの手前、何とか芸術を理解したいと言う姿勢は買います。(笑)

だが、無理です。

その位置からでは。

あろうことかモネの晩年の作品を50cmくらいの位置から眺めても、
「ただグチャグチャの絵の具」にしか見えませんよ。

距離を。

特に晩年のモネは凄い距離が必要です。

場合によったら美術館の反対側の壁ギリギリまで行って観る必要があります。

その時、一気にモネの作品は輝き出すのであります。

モネの作品は、モネマニアに言わせると、
「光り輝くその一点の位置」を探さなくてはならない、と言います。

これは私の妹(長年ヨーロッパで暮らしていた)が言っていたのですが、
テレビで有名な若い女優が同じ事を言っていて驚いた事があります。

絵画は近くで観ればいいと言う訳ではないのですが、
どういう訳か直近に居座りたい人が多くなってしまいます。