趣味人に迂闊な社交をしてはいけない、非趣味人を誘ってはいけない(苦笑)

最近の私の母の行動を危ないと思ってはいたのです・・・・・

さて。

趣味を持っている人がいます。

趣味を持っていない人がいます。

趣味を持っている人は心理学的に言うと「達成動機が強い人」とも言えます。

達成動機とは明確に自分のやりたい事を持っている心理です。

それを達成した時に喜びを感じる人間の3大幸福の1つです。

人間ならば誰にでも無くてはならない心理ですが、
強弱はもちろんあります。

分かり易い具体例で言うと、
芸術家には達成動機が非常に強い人が多いので、
例えばシャガールとかモネとか、死ぬまで絵を描き続けていた人を思い浮かべると理解できるかと思います。

反対に達成動機が弱い人と言うのもいます。

趣味も無ければ、やりたい事も特に無いタイプの人です。

達成動機が本当に無かったら、人生が極めてつまらないモノに成り下がりますから、
こういう人は残念ながら幸福とは無縁になります。

強過ぎてもダメですが。
(芸術家などの強過ぎる人達は達成できなかった時に自殺してしまう場合が多い)

適度な達成動機を持つのは楽しい人生を送る上で不可欠の要素です。

さて最近、何故自分が歌舞伎鑑賞を始めたのかを思い出すことが多いのです。

これは間違いなく元妻と私の妹のお陰です。

私は歌舞伎には全く興味がなかったどころか、
嫌悪感さえ抱いていたのです。

「男が女の格好をして何やらやってる気持ち悪い世界」

これが私の歌舞伎鑑賞以前の感覚でした。

元妻は元々歌舞伎に大変興味があって、
同時期に私の妹もハマりにハマり、
2人して私にも薦めて来たのですが当然私は拒絶。

しかし半ば強引に連れて行かれたと言うのが本当のところでした。

そしてどうなったのか?と言うと。

まあ、それは当ブログの「能・歌舞伎・文楽」書庫をご覧頂ければ一目瞭然かと思います。(笑)

さて、今回話題にしたいのは、
掲題に書いた通り「趣味人に迂闊な社交を~云々」についてなのであります。

人間は自分の知らない分野に接した時、
4つのパターンの態度を取ります。

1.興味があって、興味がありますよと言う態度を取る

2.興味はあるが、興味の無い素振りをする

3.興味はないが、興味のある素振りをする

4.興味は無いし、興味はありませんと言う態度を取る

「1.」と「4.」の人物の場合、問題は生じません。

何故なら、自分の意志である興味の有る無しを正直に表明しているので、
それに対応する人も、どのような関わり方であれ、
常識人同士が誠実に対応していればそれで問題になる事は決してありません。

歌舞伎に関して言うと私は明確に「4.」の立場を取っていましたが、
元妻と私の妹は「強制」と言う手段で私を歌舞伎座に連行しました。(笑)

そこにあるのは正直な意志同士のぶつかり合いだけでした。(笑)

私はソレに屈しただけ、と。(爆)

もちろん「1.」の人物だったら、
興味のある人に誘われた場合、即座に行けばいいだけとなるのは言うまでもありません。

もう少し詰めて言うと「2.」の人物の場合でも問題はほぼ生じません。

例えば歌舞伎趣味人が「2.」のタイプの人と話していれば、
「あれ?この人は歌舞伎に興味ないと言っていたけど実は凄くある」
と直ぐに感じるはずなので、その後の展開は人間の相性次第になるのは容易に想像がつきます。

実は最も問題を巻き起こすのは「3.」のタイプです。

何故この種の態度を取るのかと言いますと、
「3.」の態度を取る人は間違いなく「親和動機」が非常に強いタイプの人です。

親和動機とは「人と人が仲良くしている時に感じる幸福」の事であり、
人間の3大幸福の1つです。

もちろん人間が幸福になるためには絶対に持っていなくてはならない動機の1つですが、
これまた人により強弱があります。

親和動機が強い人は、その場の雰囲気をとても大切にしてしまい、
時に人と仲良くしていたいために嘘も平気でついてしまいます。

親和動機が強い人は一般的に女性に多いと言われています。

(詳しい説明は主旨から外れるため割愛しますが)進化の過程でそうなっている、と。

「3.」のタイプの人が、達成動機の強い趣味人と話した時、
結構なトラブルになってしまうと感じています。

例えば、歌舞伎趣味人にとって歌舞伎座に毎月2回行くのは当たり前の行為です。

経済力、自由力によって行動パターンは違いますが、
金持ちだと平気で2万円する桟敷席や1等席に通います。

お金が無い歌舞伎趣味人は私のように4階一幕見席に通います。(笑)

それは苦痛ではなく楽しみとして通っているのです。

さて、歌舞伎趣味人でそこそこ親和動機が強い人は、
自分の現在のこの歌舞伎の楽しさを別の人とも分かち合いたいと思います。

こんなに楽しいんだから、自分に接近して来る人もそう思ってくれるはず、と。

残念ながら違います。

親和動機の強い人は、
歌舞伎趣味人にはこういう事を言えば絶対に良く思われると思う言葉を投げかけて来るだけです。

「歌舞伎ってまだ観たことがないんです。
 一度行ってみたいのですがなかなか機会が無くて。」とか。

「素敵ですね。
 行きたいけど遠方なので無理なのです。
 一度は観ておきたいのですが。」とか。

「わ~いいですねぇ~♪♪
 今度連れて行って下さい。」とか。(苦爆)

はい、ほぼ100%、社交辞令と考えるべきです。

もちろん本当のケースもあるにはあります。

しかし歳がイっていればいるほど、有り得ません。

上記のような事を言う人とは「歌舞伎に興味が無い人」と考えるべきです。

社交辞令だと考えるべきです。

何故なら、達成動機が強い人は、
本当に歌舞伎に興味のある人は、
距離など関係なく先ず間違いなくそれまでの人生で実行しています。

行ったことない = 興味がない

こう考えていて間違いありません。

ちなみに個人的に達成動機が非常に強い趣味人だなと度肝を抜かれた人がかつて2人いましたが、
両方とも地方在住の人でした。

1人は歌舞伎座の一幕見席の行列に運良く1番で並んでいた時に2番目に来たご婦人でした。

超遠方に住んでましたが、経済力もあるのか、何度も何度も来ている人でした。

もう1人は、東日本大震災の直後、渋谷のBukamuraに「1人で九州から来ていたご婦人」でした。

地震の後でさらに原発事故が発生していて、
客はほとんどいませんでした。

フェルメールが来ているのに余りにも人が少ないので係員に「本当にここでいいのか?」と聞いていたのです。(笑)

興味のある達成動機の強い人は、間違いなく実行します。

人から薦められてどうこうしている段階で趣味人とは言えません。

誘うだけ無駄です。

実行しない人はそもそも達成動機が強くないと考えるべきなので、
誘ったりするのは却って迷惑なんだと見做すべきでしょう。

しかし中には自分の親和動機を満たすために、
好きでもないチケットを取って、友達を誘う人もいるから驚きます。

ちなみに母がそういう目に遭ってしまい・・・・・

一緒に行ったはいいけど誘って来た知り合いが落語会で居眠りを始めたり、
それほど楽しそうにしていなかったり、と。

趣味人からすると「この人と行っても面白くない」となり、
非趣味人・親和動機強の人からすると「面白くもない事に付き合う」となり、
双方にとって悲惨な状況になってしまいます。

最近母が立て続けに落語会に誘われたのは良いのですが、
そういう目に遭ってしまい、
こぼしていて、ついこのような記事をアップしてしまいました。

まとめ

・趣味人は他人を迂闊に誘うべきではない

・誘うなら同じ達成動機が強い趣味人に限定すべき

・親和動機が強いだけの人との趣味行動は避けるべき
 
・本当に相手が興味を持っているのかきちんと精査すべき

・相手が苦痛に感じていると判明したら即座に解放してあげるべき

この問題は意外にも人間関係に決定的なヒビが入るケースが多いので要注意です。

ちなみに見分け方の1つとしては、
「飲み会が好きな人」「宴会が好きな人」は趣味人ではなく親和動機の強い人と考えておくべきです。

友達と頻繁にお酒を飲むのが大好きな人は、
間違いなく親和動機が強いです。

ちなみに達成動機が強い趣味人は、
お酒だけずっと飲んでいるのを苦痛に思うのです。

楽しくないことはありません。

それが稀な事ならば。

しかしそれが頻繁だと間違いなく苦痛に感じます。

「何でこんな事に貴重な時間とお金を使わなくてはならない?
 この飲み会で5000円?歌舞伎座の一幕見席でフルに観てもおつりが1000円くる値段だな。」
などと思うのです。(笑)

達成動機が強い趣味人なのか???

親和動機が強い非趣味人なのか???

付き合い方は非常に難しいです。

趣味人が非趣味人を無理に誘うのは禁物ですし、
非趣味人が迂闊に興味を示すフリをするのも禁物です。

想像以上に恐い問題であると認識しておくべきでしょう。

終わり



余談:

ちなみにこの話題を提供してくれた私の母。

はい、人間関係にヒビが入って亀裂→破壊へと進んでしまいました。(苦笑)