「12年目のパリ暮らし」
元フジテレビアナウンサー、中村江里子氏の「12年目のパリ暮らし」を読んだ。
色々と考えさせられる内容だと思った。
先ず、パリは日本人が、特に日本人女性が一番憧れている場所と言ってもいいだろう。
世界一オシャレな街、と。
しかしながら、憧れのパリと現実のパリは著しく違う。
それは日本人の想像を遥かに超える違いだ。
この問題は何も中村氏や私の体験だけでなく、
非常に多くのパリ体験者が同様に様々な媒体で語っている事となる。
ちなみに中村氏によると、
それがどれほどなのかと言うと、パリで精神科医をしている日本人が、
「パリ症候群」と言う立派な病名をつけたほどとなる。
理想と現実のあまりの違いの酷さに精神的におかしくなってしまう人が結構いると言う。
具体的な症状は、著作によれば、幻覚、熱気、常軌逸脱、被害妄想などの症状を呈すと言う。
毎年日本人がこのパリ症候群にヤられてしまい、
そのうちの何人かに、その医師は「二度とパリに来てはいけませんよ」と言って帰国させるそうだ。(苦笑)
ちなみに私は上記の内容を知ってもまるで驚かなかった。
やっぱりな、である。
何となく、パリと言うと映画のようなカフェをイメージして、
やたらとカッコいい店員がいて、美味しいカフェオレを楽しみながら、
オシャレな場所で街を眺めている印象がある。
ちなみに私は非常に運良く、その昔、モンマルトルの丘の上で疲れてしまった時、
カフェに飛び込んでカフェオレを飲んだ。
この時の店員はごくごく普通で、コーヒーも美味しくて、
目の前に展開している「夢のようなモンマルトルの丘の光景」に見とれることが出来た。
しかしこれは大変な幸運と言うべきかと思う。
パリの店員の異常に攻撃的な振る舞いは有名だ。
私も僅かな滞在にも関わらず何度か嫌な思いをさせられている。
何故なのだろうかと考えた時、
根本的な人間の違いを思ってしまう。
「ヨーロッパ人は自己完結型である」と言うのが私的な意見となる。
さらに「日本人よりも遥かに攻撃的である」と言うのもある。
つまり、多くのヨーロッパ人は自分達の文化を最高だと思っていて、
自分も最高だと思っている。
もっと言えば、これは「他はダメ」となる。
常に自分が最高で、自分が正しくて、他はダメ、と。
(もちろん全員がそうではないが、日本と比較した場合、顕著な差があるのは明白)
この感覚は一般的日本人とは正反対となる。
だから無邪気にパリに行った日本人は・・・・・
前述したように精神的におかしくなってしまう人も出てくる、と。(苦笑)
ところが不思議なもので。
「従って、パリはダメ」と言う結論にはならないところがクセモノなのである。
では、非常に根本的な問題で、その心優しい日本人が、
日本に生まれて、日本で暮らしていて自分を幸福だと思っているのだろうか?
残念ながら、この回答は正式な統計として出ていて、
日本は毎年毎年、先進国の中では最低となっている。
先進国以外を入れて世界的に見ても、
決して日本人は自分を幸福だとは思っていないと言う統計結果が出ている。
そういう人がとても多いのが残念ながら日本人と言える。
そしてこの事実を知っても「えええーーーーーっ!?嘘でしょう?」
と言い切れる日本人は少ないと思う。
これまた何故なのだろうか?
昔、ドイツ語を習っていた頃、
ドイツ人の先生が、
「貴方方日本人は同調圧力が非常に強いように思えます。
常に他人を意識して、他人と同じように振る舞おうとしています。
しかもその事実にまるで気付いていません。」
と断言していた。
これは蓋し名言と言える。
ちなみに私達日本人が普通に受け入れてしまっている「単身赴任」。
中村氏が日本人の友達と自分の夫(フランス人)を交えて会話していた時のこと。
その友人の夫が転勤なったと言う話になり、
「ならば単身赴任が一番よね」と意見を言ったら、
中村氏の夫の表情が途端に恐ろしく険しくなり、
「有り得ない」と言い放ったそうなのである。
つまり、フランスでは余程の事がないと単身赴任などは有り得ないのだ、と。
日本人は周囲を見て、単身赴任は当たり前だと受け入れてしまっている。
単身赴任だけではない。
長時間労働、サービス残業、休日出勤、頻繁な転勤等々。
周囲がそうなら仕方ないよな、と。
しかし少なくともフランス人はそうは考えていない。
私が知る限り、ドイツ人もイギリス人も同じように思える。
これらの勤務環境は、実のところ「不幸の温床」と言える。
何故なら、自分のプライぺート時間が無くなることを即座に意味しているからだ。
上記の職場環境に対して色々と言い訳を駆使する日本人男性は非常に多い。
だが、少なくともこの感覚はヨーロッパ人には全く通用しない事だけは知っておく必要がある。
そして日本人が自分を幸福だとは思っていない統計結果も。
ヨーロッパ人が考えている事は以下のようにも言えると思う。
自分が最高=自分の生活を乱す者を許さない=そのような存在には断固として戦う
つまり、彼らは自分の個人としての幸せを貪欲に追求しているとも言い換えられる。
日本人は自分の幸せを追求しない。
どこかで我慢する事を美徳と考えている。
日本に生まれ、日本だけに暮らしていた場合、
それを当然として受け入れながら死んで行くのだろうが、
残念な事に今は本当の意味での国際化社会が到来してしまっている。
嫌でも外国人の生き方が目に入って来てしまう時代なのである。
何となく、長時間労働はおかしいと思っている人も多いが流されてしまっていた経緯がある。
しかし今やテレビでもドイツやフランスの労働の実態を教えてくれる。
比較した時に初めて、私達日本人のもつ美徳も悪癖も浮き彫りになってくると言う訳だ。
この本はとても読み易く、分かり易くもあるけれど、
なかなかどうして日本人の幸福を考える上でとても意味深い内容となっているかと思う。
終わり
色々と考えさせられる内容だと思った。
先ず、パリは日本人が、特に日本人女性が一番憧れている場所と言ってもいいだろう。
世界一オシャレな街、と。
しかしながら、憧れのパリと現実のパリは著しく違う。
それは日本人の想像を遥かに超える違いだ。
この問題は何も中村氏や私の体験だけでなく、
非常に多くのパリ体験者が同様に様々な媒体で語っている事となる。
ちなみに中村氏によると、
それがどれほどなのかと言うと、パリで精神科医をしている日本人が、
「パリ症候群」と言う立派な病名をつけたほどとなる。
理想と現実のあまりの違いの酷さに精神的におかしくなってしまう人が結構いると言う。
具体的な症状は、著作によれば、幻覚、熱気、常軌逸脱、被害妄想などの症状を呈すと言う。
毎年日本人がこのパリ症候群にヤられてしまい、
そのうちの何人かに、その医師は「二度とパリに来てはいけませんよ」と言って帰国させるそうだ。(苦笑)
ちなみに私は上記の内容を知ってもまるで驚かなかった。
やっぱりな、である。
何となく、パリと言うと映画のようなカフェをイメージして、
やたらとカッコいい店員がいて、美味しいカフェオレを楽しみながら、
オシャレな場所で街を眺めている印象がある。
ちなみに私は非常に運良く、その昔、モンマルトルの丘の上で疲れてしまった時、
カフェに飛び込んでカフェオレを飲んだ。
この時の店員はごくごく普通で、コーヒーも美味しくて、
目の前に展開している「夢のようなモンマルトルの丘の光景」に見とれることが出来た。
しかしこれは大変な幸運と言うべきかと思う。
パリの店員の異常に攻撃的な振る舞いは有名だ。
私も僅かな滞在にも関わらず何度か嫌な思いをさせられている。
何故なのだろうかと考えた時、
根本的な人間の違いを思ってしまう。
「ヨーロッパ人は自己完結型である」と言うのが私的な意見となる。
さらに「日本人よりも遥かに攻撃的である」と言うのもある。
つまり、多くのヨーロッパ人は自分達の文化を最高だと思っていて、
自分も最高だと思っている。
もっと言えば、これは「他はダメ」となる。
常に自分が最高で、自分が正しくて、他はダメ、と。
(もちろん全員がそうではないが、日本と比較した場合、顕著な差があるのは明白)
この感覚は一般的日本人とは正反対となる。
だから無邪気にパリに行った日本人は・・・・・
前述したように精神的におかしくなってしまう人も出てくる、と。(苦笑)
ところが不思議なもので。
「従って、パリはダメ」と言う結論にはならないところがクセモノなのである。
では、非常に根本的な問題で、その心優しい日本人が、
日本に生まれて、日本で暮らしていて自分を幸福だと思っているのだろうか?
残念ながら、この回答は正式な統計として出ていて、
日本は毎年毎年、先進国の中では最低となっている。
先進国以外を入れて世界的に見ても、
決して日本人は自分を幸福だとは思っていないと言う統計結果が出ている。
そういう人がとても多いのが残念ながら日本人と言える。
そしてこの事実を知っても「えええーーーーーっ!?嘘でしょう?」
と言い切れる日本人は少ないと思う。
これまた何故なのだろうか?
昔、ドイツ語を習っていた頃、
ドイツ人の先生が、
「貴方方日本人は同調圧力が非常に強いように思えます。
常に他人を意識して、他人と同じように振る舞おうとしています。
しかもその事実にまるで気付いていません。」
と断言していた。
これは蓋し名言と言える。
ちなみに私達日本人が普通に受け入れてしまっている「単身赴任」。
中村氏が日本人の友達と自分の夫(フランス人)を交えて会話していた時のこと。
その友人の夫が転勤なったと言う話になり、
「ならば単身赴任が一番よね」と意見を言ったら、
中村氏の夫の表情が途端に恐ろしく険しくなり、
「有り得ない」と言い放ったそうなのである。
つまり、フランスでは余程の事がないと単身赴任などは有り得ないのだ、と。
日本人は周囲を見て、単身赴任は当たり前だと受け入れてしまっている。
単身赴任だけではない。
長時間労働、サービス残業、休日出勤、頻繁な転勤等々。
周囲がそうなら仕方ないよな、と。
しかし少なくともフランス人はそうは考えていない。
私が知る限り、ドイツ人もイギリス人も同じように思える。
これらの勤務環境は、実のところ「不幸の温床」と言える。
何故なら、自分のプライぺート時間が無くなることを即座に意味しているからだ。
上記の職場環境に対して色々と言い訳を駆使する日本人男性は非常に多い。
だが、少なくともこの感覚はヨーロッパ人には全く通用しない事だけは知っておく必要がある。
そして日本人が自分を幸福だとは思っていない統計結果も。
ヨーロッパ人が考えている事は以下のようにも言えると思う。
自分が最高=自分の生活を乱す者を許さない=そのような存在には断固として戦う
つまり、彼らは自分の個人としての幸せを貪欲に追求しているとも言い換えられる。
日本人は自分の幸せを追求しない。
どこかで我慢する事を美徳と考えている。
日本に生まれ、日本だけに暮らしていた場合、
それを当然として受け入れながら死んで行くのだろうが、
残念な事に今は本当の意味での国際化社会が到来してしまっている。
嫌でも外国人の生き方が目に入って来てしまう時代なのである。
何となく、長時間労働はおかしいと思っている人も多いが流されてしまっていた経緯がある。
しかし今やテレビでもドイツやフランスの労働の実態を教えてくれる。
比較した時に初めて、私達日本人のもつ美徳も悪癖も浮き彫りになってくると言う訳だ。
この本はとても読み易く、分かり易くもあるけれど、
なかなかどうして日本人の幸福を考える上でとても意味深い内容となっているかと思う。
終わり