天文マニアが意外に達成できないこと

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今は無き渋谷の五島プラネタリウム

様々な不思議な天文現象を教えてくれました。

幼い頃からの天文趣味人は必ず自分の人生を未来の天文現象とリンクさせていると思います。

そんな私も遠い未来に起こる天文現象に思いを馳せておりました。

1986年 ハレー彗星の回帰

1999年 しし座流星雨

2009年 南西諸島皆既日食

2012年 金環日食

等々。

それらは遠い未来の出来事だと思っていましたが今や過去になっています。

これらの天文現象は派手で誰もが驚き感動するもので、
熱心な天文ファンでなくても必ず見ているかと思うのです。

しかし地味と言えば地味なのですが、
天文趣味人なら是非とも一度は見たいけれど意外にも達成が非常に難しいことがあると思っています。

毎年、春になると五島プラネタリウムでは、天文好き小学生にとって驚きの光景を見せてくれました。

2球式であるカール・ツァイスⅣ型のプラネタリウムがウィーンと音を立てながら反転して行くのであります。

つまり、日本からは決して見ることの出来ない南半球の星々を見せてくれていたのです。

これは幼い私にとって衝撃でした。

不思議な天文現象ではなく、晴れていれば普通に見えるはずの星でも、
日本からは絶対に見えないものがあるとは、と。

中でも最も明るい恒星である1等星。

全天でも21しかありません。

そのうち6個の1等星は日本からは見えません。
(僅かに地平線から顔を出すものも1~2ありますが、見えないと考えた方がいいです)

つまり「全天21の1等星を全て見る」。

これ、想像以上に難しいのです。

もちろん南半球か、せめて赤道近くに行かない限り見ることは出来ないからです。

南十字座 α星とβ星 

ケンタウルス座 α星とβ星

りゅうこつ座 カノープス

・エリダヌス座 アケルナル

上記6つの1等星は日本からは見えません。

念のため、超マニアックなことを言えば、
古来より、りゅうこつ座カノープスは「南極老人星」と言われ、
僅かに地平線から顔を出しますが、それを見たものは長寿に恵まれると言われるくらい見るのは難しいです。

また、南十字星も沖縄の離島に行けばギリギリ見られると言いますが、
かなり見るのは難しいでしょう。

でも、南半球に行けば一発で見られるから大したことないでしょう?と言う人もいるかも知れません。

確かにその通りなのですが。

しかし上記の星を1回の旅行で見るのはかなり無理があります。

何故なら、南十字は春の星で、アケルナルは秋の星だからです。

つまり旅行であるなら春か夏に1回、秋か冬にもう1回行かないと見られない、と。

オマエはどうなのだ?と言われますと。

はい、全ての1等星を既に制覇しております。

春のオーストラリアで南十字、ケンタウルス、そしてカノープス

秋のペナン島アケルナルを。

もう人生も後半にさしかかっています。

今の私が夢見ておりますのは、もちん2035年9月2日です。

北関東から北陸にかけて見られる皆既日食

天文趣味人生。

なかなかに面白いです。

終わり