高齢出産の差別について

昔、母が面白おかしく今となっては70年以上前の高齢出産差別について語っていた。

「四十の恥かきっ子」

40歳を過ぎてから初めて生まれた子供はそう呼ばれてバカにされていた、と。

昔の40代半ばの女性は小さな子にとってはお婆さんに見えなくもないらしく、
小学校にその親が入って来る時、曲がった背中をピンと伸ばすらしく、
そういう所も笑いのネタにしていたそうだ。

無事に産まれた後も差別の対象にされるのは酷い時代であったと現代人としては思う。

また最近、昭和の爆笑王と呼ばれた先代の林家三平についての本を読んでいた時、
子供が遅い年齢で授かった時、あれだけのスターにも関わらず、
先輩落語家の中には「(産むのは)止めなさい」と忠告してくる人もいたと書かれていた。

二人目が生まれた時は「いい加減にしないか」と説教する人までいたそうだ。

医学的な見地からの危険性云々もあるのだろうが、
戦前なら分からないでもない。

しかし昭和時代、それも先代・林家三平が活躍していたのはそれほど遠い過去ではない。

今は平成時代で、しかも日本は世界的にも危険なほどの少子高齢化社会になりつつある。

この流れにあっては、10代出産、高齢出産、そんな事を言っていられないほどの国家的危機ではないか?とすら思わなくもない。。

それでも私達の心の奥底のどこかには高齢出産を差別していると感じている。

それが本能に基づく忌避なのか、医学的な知識に基づく忌避なのかは別にしても。

無事に生まれたのであるのなら祝福すべきであろうし、
援助や福祉を惜しんではならない社会であるべきだと思っている。

終わり