人道主義者に対する恐ろしい攻撃

難民問題について「どんどんと受け入れなければならない」と表明する人道主義者は多い。

確かにそう思うし、そう思いたい。

しかしながら。

これについての明確で恐ろしい回答が「銀河英雄伝説」という漫画に描かれている。

これは遠い未来の話で連邦軍と帝国軍が銀河系を舞台に戦っている。

連邦軍はリベラル派で帝国軍は保守派とみていい感覚で物語は推移してゆく。

ある戦いにおいて帝国軍の若き天才将軍が驚くような戦術を展開する。

戦わずして逃げるのだ。

1つの惑星をそっくりそのまま連邦軍に明け渡す。

そこへ堂々と着陸してきた連邦軍の兵士達。

「皆さんを解放しに来た!!」と言う。

ところが様子がおかしい。

彼らは皆口々に「連邦軍だろうが帝国軍だろうがどっちでもいい。今の私達に必要なのは食糧だ。何とかしてくれ。」と言う。

直ぐに承諾して食糧の配給を開始した連邦軍

だが、数が桁違いなのだ。

何万人、何十万人と押し寄せて来る。

戦艦を囲む住民たち。

彼らは武器など持っていない。

ただただひたすら食糧を要求するだけ。

アッと言う間に尽きてしまう連邦軍の持って来た食糧。

そしてとうとう勃発してしまう連邦軍兵士の恐怖に駆られた発砲事件。

一気に爆発する民衆の不満。

帝国軍側の若き天才将軍は連邦軍の掲げる正義を逆手にとって、
その後、一気に攻勢に出てくる。

数の恐怖を知らぬ者は恐ろしく脳天気に「援助を」と言う。

しかし援助には間違いなく限界があると知っておかねばならない。

その限界を超えてしまった時。

それは自らが崩壊を始める時でもある。

どうする事も出来ない事態はある、と言う冷徹な事実。

とても恐い問題であると思う。

終わり