たった1回行っただけで極めたつもりになっている人について(苦笑)

「たった1回行っただけで上から目線の人」

タイトルを言い換えると上記のようにも言える。

これから書くことは明らかに芸術系の趣味の分野で顕著に多い。

しかしそれほど頻繁に見掛ける訳でもない。

ただ、ごく身近に1人いるため非常に目立って気になるので記事にしたいと思う。(笑)

そしてそれは結構な不快感をもたらすので要注意かと。

不思議なもので、芸術系の趣味は、本人が特にそれほど好きでなくてもカッコ付けのためにやる人が多くはないが少なくもない。

典型的な例は以前も記事にしたが、
日本にある体験をするために滞在していたカナダ人の若い女性が、
ある日、近所の金持ちの日本人既婚女性に招待されたそうだ。

彼女の自宅は大きくて室内の調度品も凝りに凝った高価な物ばかりだったそうだ。

すると彼女は高価なオーディオセットとモーツァルト全集に気付いた。

婦人のコレクションだと言うので、
「私もモーツァルトが好きなんです。○×をかけてくれませんか?」
と頼んだら、驚くべき事に彼女は自分のオーディオ装置を操作できなかったそうだ。

つまり、普段から全く聴くことの無いオーディオセットとモーツァルト全集を飾っていただけ、と。

その若いカナダ人女性は「信じられない。何故こんな事をするのか?」と半ば侮蔑気味に語っていた。

この感覚、日本人ならある程度理解できるはずだ。

その種の人間は少なからずいると言う実態に。

世の中には悲しいかな、金はあるけど教養はなく、しかし教養があるように見せたいと思う人はそれなりにいる。

だが、ヨーロッパ滞在が長かった私の妹に言わせると、
このような発想はケチなヨーロッパ人にはほとんどいないと断言していた。

「ヤツらはケチだから自分が本当に好きな分野にしか金をかけない」と。(笑)

まあ、ヨーロッパは個人主義が浸透しているから他人の目よりも自己を優先させるのだろうけど。

それはともかく。

その種の人は、例えば、身近にいる人はこんな事を平気で言う。

私が国立西洋美術館の○×展を観に行ったと言うと、
「あ、私行ったことあるから!!」と上から目線で。(笑)

そこで「え!?○×展へ?」と訊き直すと、
「いや、国立西洋美術館。」と言う。

モーツァルト全集婦人も西洋美術館の人にも共通点がある。

それは「さほど好きではないけど、取り敢えず威張れそうだからヤっておく」感覚と言える。

先日、浅草の寄席で林家正蔵が豪華な着物を着て歌舞伎座の一等席に陣取っている金持ち婦人達を、
「あれは歌舞伎を観に来ているんじゃない。歌舞伎を観ている自分に酔っているんだ。」と茶化していたが、
これもまた同類と言えるだろう。

本当にその分野が好きな趣味人から見るとこの種の人達は「酷く滑稽」に思える。

よくよく話を聞くと、その人が本当に興味があるのは全く別の分野だったりする。

それをヤればいいじゃないか。

その方が遥かに楽だろうに、と思うのだが。

ところがどっこいプライドがそうは許さないようだ。(笑)

困ったものかと。

何故困るのかと言うと。

私的には「お!!同じ趣味が語れる楽しい人が登場した!!」と思わされるからだ。

ところが「○×展」の話どころか「人生で一度しか国立西洋美術館に行ったことがない」のが分かったりする。

「オマエ、絵画趣味を持っていないじゃないか!!」と酷く落胆させられる。

こういう「ぬか喜び」を仕掛けてくるヤツ。

不快だ。(笑)

終わり