クィーンズ・イングリッシュ

クィーンズ・イングリッシュ。

ご存知の通り、イギリスで話されている英語のことです。

土曜日は1日中クィーンズ・イングリッシュの洪水の中にいました。(笑)

ロンドンの下町で話される独特の訛りであるコックニーは別にしても、
イギリス英語は非常に特徴的な発音をします。

最も有名なのは、アメリカ英語では「can」をキャンと発音しますが、
クィーンズ・イングリッシュではカンと発音します。

他の単語でも「キャ」とは決して発音しません。

常に「カ」になります。

ちなみに最初にロンドンに着いた時、
「カッシュ?」と聞かれ、何のことだか分らなかった想い出があります。

それがアメリカ英語の「キャッシュ(現金)」のことだと分かるまでしばらく時間がかかりました。(笑)

また、アメリカ英語では「鼻音化」と呼ばれる現象が盛んに起きます。

例えばイギリス英語では「水」をきちんと「ウォーター」と発音します。

しかしアメリカ英語では鼻にかかり「ウォラ」といった感じの発音になってしまいます。

鼻音化は私的な印象では軽薄に聞こえてしまうのです。

まあ、このように発音にも大きな違いがあるのですが、
実のところ決定的な違いは発音ではありません。

個人的には余り良くない感覚ではありますが、
それでも「植民地の威力」にあると感じています。

かつては七つの海を支配していた大英帝国です。

世界中に植民地をもっていました。

もし大英帝国の旧植民地を旅した場合、
そこでクィーンズ・イングリッシュを話すととんでもない威力を発揮することがあります。

例えば、高級レストランです。

私の妹は長年ロンドンに暮らしていたので喋る英語は当然クィーンズ・イングリッシュです。

彼女が香港を旅した時、ある高級レストランに入りました。

ボーイが来ましたが、やはり日本人だと分かると、
失礼とは言いませんが、普通の扱いになります。

しかし、妹はクィーンズ・イングリッシュを繰り出します。

するとボーイはビクンとなるのです。

この効果は想像以上に大きいと感じています。

分かる人には絶大な効果を発揮してしまいます。

今回、実は私が思い切りその効果を受けてしまいました。(苦笑)

案内した2人のうち1人は中国系イギリス人でした。

顔つきは日本人と大差ありません。

しかし。

繰り出される英語は完璧なクィーンズ・イングリッシュでした。

私は恥ずかしながら「ビクン」となってしまいました。(苦笑)

上手にクィーンズ・イングリッシュを喋るというレベルなんかではなく、
完璧なネイティブのそれでした。

たとえ顔つきはアジア人でもクィーンズ・イングリッシュを駆使してくる人。

手強いです。

そして・・・カッコいいと思ってしまいます。

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