映画:「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」

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http://paganini-movie.com/

映画:「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」

この映画、凄く凄くいいっ!!

圧倒的にいいっ!!

クラシック音楽好きにとっては相当楽しめる映画なのでは???

ピアノと言えばショパン、ヴァイオリンと言えばパガニーニ

しかし、パガニーニの音楽はショパンほど有名ではないと思う。

ピアノに並ぶメジャーな楽器だと言うのに。

技巧的に頂点を極めているせいなのだろうか???

それはともかく、芸術家の生き方がこれでもかっ!!と描かれている。

演奏家として大成功を収めるパガニーニ

今で言うロックスターのような存在。

ヴァイオリンのテクニックはおそらく人類音楽史上最強。

冨と名声を手に入れるが、破滅的な生き方をする。

超絶的な技巧と奔放さのために悪魔に身を売ったと本気で噂されるほど。

映画の中では女にもメチャクチャもてる。

しかし、自分が本気になった女性からの愛は得られないまま終わってしまう。

芸術家は達成動機と言われるものが非常に強い人が多い。

自分の明確な信念を持ち、それを実現させるこそが人生の意味とすら思っている人々。

従って、他者への優しい配慮などほとんどない。

己の道をただ突き進むのみ。

けれどもそのためには神に選ばれた才能がなくてはならない。

パガニーニにはソレがあった。

結果として彼の遺体の埋葬は教会が拒絶し、
親族がローマ法王に訴えるも認められなかったほどだそうだ。

悪魔のヴァイオリニスト。

まさしくその通りかと。

そもそも音楽とは本質的に人を狂気に駆り立てるものだと思う。

熱狂と陶酔と。

パガニーニの音楽はまさしくソレだ。

周囲にいる人達の心を惑わせ狂わせてゆくもの。

映画では超絶的な技巧とパガニーニの音楽がいたるところで使われている。

俳優の演技もいい。

恐ろしくセクシーな男が演じている。

本物の超有名なヴァイオリニストらしい。

残念ながら私はバロック音楽愛好者なので現代の演奏家について詳しくない。

パガニーニが愛する純潔なイギリス女性役の女優も、
如何にもな育ちのいいイギリス女性を見事に演じている。

シブい役どころではタイムの記者を演じている中年女優。

これがまた素晴らしい演技。

スれた女の魅力を余すところなく伝えてくる。

もう1人。

脇役の女優なのだが、パガニーニの公演の反対運動をしている女性の役。

当時、女性の人権を真剣に考えて運動を始めた人達をさり気なく好演している。

彼らは権利を戦いながら掴みとってきたのだな、と。

そして、堕ちる男と女、堕とされる男と女。

様々なドラマが交錯しながらもパガニーニを中心にドラマは回る。

素晴らしい映画かと。

絶対にお勧めの作品。

終わり