星と音楽の夕べ

かつて渋谷の東急文化会館(現在はヒカリエになっている場所)にはプラネタリウムがあった。
 
毎週土曜日の最終回は「星と音楽の夕べ」と言う特別番組が組まれていた。
 
音楽と星を楽しむ素敵な企画だった。
 
プラネタリウムで投影される太陽は音楽と共に渋谷の街に沈んで行く。
 
夕焼けに染まる街。
 
1つまた1つと星が姿を現し、急速にその数を増やして行く。
 
ふと気付くと夜空は数えきれない星で埋め尽くされている。
 
この演出は圧倒的だった。
 
おそらく、初めて体験する人はその光景に息をのむはずだ。
 
夜空には星がここまで多いと言う事実とその美しさに。
 
しかしながら。
 
本物の山で迎える夕暮れと星たちの饗宴はもっともっと素敵だ。
 
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太陽が山の端に沈むと周囲の光景はオレンジから赤、紫へと変化して行く。
 
標高の高い山で迎える夕暮れは例え夏でも急速に寒くなってくる。
 
自動車に積んであるポッドを取り出して温かいコーヒーを。
 
暗くなって行く周囲。
 
1人で過ごす山の夜にはちょっとした勇気と慣れが必要だ。
 
天体望遠鏡を組み立てる。
 
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焦ることはない。
 
夜は長い。
 
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星を眺めながら過ごす山の夜。
 
私はオーボエの音色を特に好んでいる。
 
 
これは私にとってかけがいのない贅沢な時間となる。
 
けれども、そう簡単に手には入らない環境の中で暮している。
 
終わり