社会構造の変化と厳しい現状

バブル崩壊以降、徐々に進んでいるとは思っていたが。

私達の社会構造は今、非常に大きく変化している。

その波は今年に入ってから目に見える形になって来た。

既に地方の都市は店じまいが相次いで、
街によるとゴーストタウンのような商店街になってしまっている。

私の住む街は横浜市の東京寄りで、
東京へ通勤している人が非常に多い。

人口密度もかなり高く、最寄駅を中心として、
私の居住する町と隣接する街を合わせると軽く5万人以上がいる。
(もっといると思う)

さて、その最寄駅。

かつては書店が4店、古本屋が5店、レンタルビデオ店が3店あった。

今。

特に今年に入ってから非常に大きく変わってしまい、
書店が1店、古本屋が1店、レンタルビデオ店も1店になってしまった。

書店とレンタルビデオ店は大手の大型店舗だ。

いわゆる自営業の小さな店は、この業界に関してはほぼ淘汰されてしまった。

要するに、多様性の無い大型店のみが生き残っている。

否、生き残っているのではない。

新たに進出して来て他を淘汰してしまったのである。

かなり大きな最寄駅ですらこのザマだ。

私の家の近所の小型店舗はこの数年で凄まじい勢いで消えてしまっている。

少し離れた場所で大型のショッピングモールが安売りをしているため、
勝負のしようがない。

飲食店もかなり減ってしまっている。

東京の隣の横浜市ですらこの惨状だ。

さらに。

工業界においても。

どんどんと数が減っていて、今年に入ってから、
いわゆる老舗がかなり無くなってしまっている。

リーマンショックの時以上のペースで。

世界各国はヨーロッパの一部の国を除いて、
不安材料は多々あれども一応回復基調にある。

しかし、日本は一部の大企業だけの業績が良く、
中小零細は救いようのない事態が続いている。

そして事実、無くなっている。

様々な原因が専門家により指摘されているが、
個人的にはバブル期に始まった「少子化」の影響は無視できないほど大きいと感じている。

日本の人口は頭打ち。

これからは減少に転じて行く。

と言うより、既に教育界は激しい少子化に直面していて、
学校や習い事や塾などの経営を直撃している。

世界的に見て類を見ないほど日本人は子供を産まなくなっている。

従って増えているのは高齢者であり、
若い人が極端に減ってしまえば、購買層も確実に減る。

社会に影響が無い訳が無い。

物は売れなくなっている。

この状況はそう簡単に改善されるとは思えない。

良かれ悪しかれバブル期以前は、
(酷い話ではあるが)女性はクリスマスケーキと呼ばれていた。

24歳(日)までは飛ぶように売れるが25歳(日)を過ぎると全く売れなくなる、と。

とんでもない差別である。

しかしながら、少なくとも国の存在を揺るがすほどの少子化に悩んではいなかった。

私はバブル期に結婚適齢期を迎えた者なので、
当時の女性達の心理が大きく変わったのを良く覚えている。

「高学歴・高収入・高身長」と呼ばれるいわゆる「3高」が本気で罷り通っていて、
あぶれた男性は本当に結婚出来なかった。

と言うより、女性と付き合う事すら出来ない男性が多数あぶれていた。

事実、このバブル期に日本人の晩婚化現象が一気に加速したのである。

さらに厄介な事に、
仮に結婚しても「ダブルインカムノーキッズ」と呼ばれる、
子供を敢えて作らないで自分の人生を楽しむんだと言う風潮が本当に存在していた。

今も基本的に女性の精神構造はこの時から余り変わっていないように感じる。

だからこそ、結婚難が続いている。

ヨーロッパの国もかつてこの問題に直面したが、
その時、フランスなどの上手く対処した国は、
いち早く保育所の増設やシングルマザーへの手厚い福祉などを充実させて、
少子化の難を逃れる事に成功している。

人が少なければ物は売れない。

これは当たり前の事実だ。

本気で少子化と向き合わない限り、日本の将来は危険だと感じている。

と言うよりも。

もう手遅れなのかも知れない。

負のスパイラルに落ち込んでいる・・・・・

終わり



余談:とは言え。

達観した超越者なんかを気取っていられない。

今の日本は女性が子供を産んで育てて行くには余りにも過酷な実状がある。

就職口が無い。

あっても夫や自分自身の長時間労働

建前だけの育児休暇。

足りない保育施設。

差別されるシングルマザー&シングルファザー

薄い福祉。

改善すべき事は山積している。