趣味とネット社会について

心理学の専門家は大抵こう言う。

「仕事や育児以外の世界を持て」と。

会社一辺倒、ママ友一辺倒では危険と警鐘を鳴らしている。

具体的に言うと「趣味」を持てと言う事になる。

先日も心理学の専門家がテレビでこう発言していた。

「例えばママ友だけの世界にどっぷり浸かっていた場合、
 一旦トラブルが起こると逃げ場が無くなり酷いケースではノイローゼや鬱などになってしまう。
 
 けれども別の世界を持っていたら、具体的には自分の趣味の世界、
 すると逃げ場(自分の居場所)が別に確保されているので余り堪えなくなる。」と。

確かにその通りだと思う。

定年になった途端、もぬけの殻になる男性の話はよく聞く。

ところが厄介な事に「趣味」と言うやつ。

持てるようでそう簡単には持てない。

その人の性格、生活体制と大きく関わって来るからだ。

人間は慣習の生き物とも言える。

普段からどのような生活パターンで暮らしているのか???

朝家を出て帰りは夜遅く。

休日は接待ゴルフや休日出勤???

あるいは小さな子の育児に追われている主婦の場合・・・・・

そう言った方々が休日に優雅に美術鑑賞???

これではそもそも不可能だ。

しかしながら現代の、ちょうど今。

社会が大きく変わりつつあるように思っている。

ネット社会の存在。

これは想像以上に非常に大きく私達の生活体制を変革している。

趣味の話題に限って言うと「趣味を持ち易い環境が整った」と言える。

かなり忙しい人でも自宅に戻ればちょっとしたネット時間の捻出は可能になってくる。

この時にブログやフェイスブック、あるいはミクシィなどを始めた場合、
自分の人生を大きく変える手段を手に入れたとも極論出来る。

今までの非ネット社会において趣味を持つと言う事は非常に大きな犠牲ももたらしていた。

これはどういう事かと言うと、例えばカメラが好きになったとする。

凄く好きになった場合、間違いなく非ネット社会時代においては、
「同好会」に所属するのが王道だった。

その場所でしか写真を発表する場が無かったから。

同好の士を見つけるのはとても難しかったので、
そのようなサークルを見つけ、月に何回とかの割合で出席して、
そこでお互いの写真技術の意見交換をしたり、
具体的にどこかに撮影旅行に行ったりする。

もちろん、現在のネット社会においてもこのような活動は立派に機能している。

しかし、このような活動は誰にでも出来るものではない。

仮に月に1回だとしても、その日1日をまるまる趣味のために使うのは、
独身者ならいざ知らず、大抵の家族持ちにとっては不可能だと言える。

実は趣味は相当の時間的制約が要求されて来るのである。

ところがネットでブログを使用した場合、
家にいながらにして、相当レベルの方との交流が可能になってしまう。

つまり、同好会の意見交換と言う点については、
(おそらくは1日がかりの行為)
ネットを使用すれば一切外出する事なく、家にいながら出来てしまうのである。
しかも自分の都合の良い時間だけを選んで交流が可能となる。

さらにブログの趣味欄を上手に活用すれば驚くようなハイレベルの方との交流が始まる。

運が良ければ本職のカメラマンとの交流も夢ではない。

実際、私の場合、音楽についてはプロの演奏家と知り合いになれている。

これは今までの非ネット社会時代では有り得なかった事だ。

こうして家にいながらにして、自分の知識を蓄えて行く事が出来るのである。

折りを見て、カメラなら、子供との散歩のついでに撮影を楽しめるようになる。

しかも今のこの時代、デジタルカメラである。

撮り放題に沢山撮れる。

従って撮影技術は昔の人など比べる事も出来ないくらい上手になる。

私の例で言うと、私の一番の趣味は天体観測なのである。

これは圧倒的にダントツに一番好きな分野なのである。

ところが子供が出来てからと言うもの、ほとんど出来なくなってしまった。

天体望遠鏡は押入れの奥に入ったままだった。

ところがネット時代が到来し、私はブログを始めた。

すると・・・何の気なしに他のブログを検索したら・・・

出て来る出て来る・・・多くの天文ブロガー・・・

こうして交流が始まり、私は再び押入れの奥から天体望遠鏡を取り出した。

もちろん、今でも時間的制約は抱えたままなので遠出はほとんど出来ない。

それでも隙間時間を見つけてゲリラ的に観測している。

ネットの世界が無かったら、おそらく私はもう2度と天体望遠鏡に触れる事すら無かったと思う。

独身時代のようなフルの活動はもう出来ない。

けれども、ネット情報を上手に使い、同好の士と交流をネット上で行なって行く限り、
今までにはなかった新しく素晴らしい趣味の世界が展開して行くと思う。

趣味を持つ、と言う事は案外難しい。

でもこのネット世界を上手に利用したらワクワクする世界に飛び込んで行けるかも知れない。

終わり