昔の日本人

昔々、恵比寿にサルサが踊れるレストランがあった。

妹が当時凝っていたので、1度だけ行った事がある。

あれれ???妹はイギリスに随分住んでいたので、
そんなに昔ではない???(^^;

まあ、それはともかく。(苦笑)

サルサ中南米で発達した踊りだ。

その店には日系ブラジル人の客も来ていた。

皆がワイワイ飲んで騒いでいる中、その日系ブラジル人だけは、
寡黙で、だからと言って不機嫌そうでもなくジッとしていた。

少し話す機会があった。

その立ち居振る舞いを見て感じた。

ぁあ~、この男・・・今は既に失われてしまった古いタイプの日本の男だ、と。

明治時代に移民として日本を去って行った人達。

遠く離れた地球の裏側で切ないまでに日本の伝統を守り続けた人達。

それから数世代が過ぎ、彼らの子孫は再び日本に戻って来た。

おそらく、地球の裏側でも古いタイプの日本人はその生来の真面目さを活かして頑張って来たのだろうな、と。

今の日本人の心は明治時代とは相当変わっているとは思う。

けれども、未だに日本に来た欧米人は驚嘆の声を上げる。

「落とした財布が戻ってきた」と。

今でもその生来の真面目さは部分的に生き残っている。

この感覚・・・真面目、信頼、正直・・・

これこそが日本人の、世界のどこにも負けない性質ではないのかとその時思った次第である。

終わり