バッハを聴きながら

バッハを聴いていると、
私はどうしても思ってしまう事がある。

「人類の音楽は17~18世紀を頂点に退化している」

この複雑で精緻な絶対美の中にいると、
無神論者でありたいと願う私も、
もしかしたら神はいるのかも知れない、と思う。

一体、この音楽の完璧さは何だ?

何故ここまで揺るぎない完璧な美を見せ付けてくる?

バッハのフーガは美の頂点を極め、
それは数学的な冷酷さすら感じる。

その圧倒的な美と力を前にすると・・・・・

人生も悪くない、と思う。

そして・・・・・

昨今の人類を見ていると。

退化しているのは音楽だけではないと思ってしまう。

ああ、人よ、汝の大いなる罪を泣け。