KILLA 大和和紀

昔の大和和紀の漫画に「KILLA」と言うのがある。

妹が熱心に読んでいたので私もついついハマってしまった作品だ。

これはイギリスが舞台の漫画だ。

当時、まだ海外旅行が一般的ではなかった時代に、
よくもまあ、ここまでリアルに描けたものだ、と今になって思う。

主人公はキラ・クィーンと言う超美青年。

薄幸だった子供が野望を持ち、のし上がって行く人生を描く。

これは恋愛と言い、泥臭い出世欲と言い、
ヨーロッパの上流階級を舞台にした凄まじい世界が展開する。

美貌を利用して舞台役者になり、上流階級の夫人をたらし込んでさらに出世する。

自分の理想とする世界を築くために愛してもいない女性と結婚する。

そして、キラが真摯に愛するのは・・・盲目の天才チェスマスターのアレク・・・

そう、男を愛している。

けれども、非常に精神的な存在で、彼こそがキラの弱点でもあり、
神聖不可侵な部分なのである・・・・・

登場する音楽もこれでもかっ!!と言うくらいに素晴らしい。

自分を捨てた父でもあり、企業の敵でもある男ムーアが自殺するシーン・・・・・

ワーグナーが演奏されている・・・・・

神々の黄昏・・・・・

最後のシーンなんかもう・・・シブ過ぎ・・・

脇役も素晴らしい。

傭兵隊長のキラの右腕となる男なんか・・・しびれるほどカッコ良い。

非常にイギリス的でもあり・・・・・

この作品は不朽の名作だ。

終わり