100億光年彼方の銀河の輝きに思いを馳せて・・・星を見る喜び

誰もいない季節外れの山の駐車場で。

山の向こうに太陽は沈み夕焼けに空は染まる。

私はガスバーナーで湯を沸かしコーヒーを淹れる。

ゆったりとした時の流れ。

やがて星が一つまた一つと輝き出し、
夜空は星で埋め尽くされる。

星図を頼りに天体望遠鏡を操作し、
遥か彼方の淡い銀河の光を捉える。

その光は想像を絶する遠い昔に発せられたものだ。

何億年もの旅をして今この時、
私の天体望遠鏡で捉え、この目で見詰めている。

何億年もの時の流れ。

この銀河の今が一体どうなっているのか知る術はない。

そして遠い遠い未来に思いを馳せる。

人間の一生なんてほんの一瞬の煌めきに過ぎない。

けれど私の子が子を産み、またその子が子を・・・・・

遠い遠い未来、人類は星空を見上げ、
この淡い銀河の輝きに束の間の切ない美を感じるのだろうか?

遥か遠い未来・・・
それでもきっと人は星空を見ていると信じたい。

星を見る喜び・・・

終わり