夢幻の如くなり

以前、友人と電話で話していたら、
こんな事を語り始めた・・・

「オレは、時に変な事を考えてしまう。
 今、オレには妻がいて、娘がいて、親も健在で・・・
 幸せに暮らしている・・・
 でも、これは夢か幻ではないのか?と。

 もしかしたら、本当の自分は別のどこかにいて、
 これは現実ではないのかも?と思ってしまう。」

う~む、と唸ってしまった・・・

「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。
             ひとたび生を得て滅せぬもののあるべきか」
                                ~敦盛

知識を得て、世の中の事を知ったつもりになり、
あ~だ、こ~だ、と雑事に身を委ねる。

絵画や音楽など芸術に感嘆し、人生の奥深さとやらを堪能する。

しかし、時に知識なんて必要ないのでは?と思ってしまう。

虫や植物の方が遙かに幸せなのでは?と。

否、もしかしたら、今、ここで考えている事すら「夢幻」なのかもしれない・・・