中学受験塾の戦略

実際に親として中学受験に関わって、
非常に感心した事は「戦略」である。

何事も「目的」「戦略」「戦術」「実行」の4拍子が揃わないと、
大抵の物事は失敗に終わる。

一般的に勉強の場合は特に「目的」「戦略」を持つのが非常に難しいと思う。

幸い、中学受験の場合は「志望校に受かる」と言う目的があるので、
その辺は問題ない。

しかし、「戦略」・・・
コレは非常に大切だ。

中学受験の場合、経験の無い親が「戦略」を持つ事は至難の業である。
コレは中学受験塾の仕事になる。

中学側の出題を徹底的に研究し、
東京・神奈川の場合、2月1日に照準を合わせ、
見事なまでの戦略的展開を見せてくれる。

塾によって多少の違いはあるが、おおよそ、こんな感じである。

通常、小学2年の2月よりスタートする。この場合新3年生と呼ばれる。

そして、6年生までの4年間で構成されるケースが主流だ。

最近は1年生からある塾もかなり多いが、実は受験の正式なプログラムは、
4年生から組まれている。3年生は助走期間。
しかし、3年生からやっておいた方が絶対的に有利だと思う。

3年生は通常、週に1~2回。教科は算数と国語のみ。
時間もせいぜい、長くて一教科一時間。

そして、この時から家庭学習における「漢字の学習」「計算と一行問題」が開始される。

一日の勉強時間はそれほど多くはない。
せいぜい1時間程度。
しかし「本当に毎日」やらなくてはいけない。

もちろん、家族旅行など出来ない日もあるが、
それは親がきちんと別の日に組み込むなど、
管理する必要性がある。

ともかく、1週間ずつのスケジュールが塾側から見事なまでに課せられる。

親は「その日に何をすべきか?」を管理・指示してやらないとイケない。

この学年の目標は、毎日の学習習慣をつける事と「正しい勉強の仕方」を身につける事。

4年生はいよいよ「理科」「社会」が加わる。
そして、週に2~3回の塾通い。
さらにプリントが課せられてくる。
このプリントと言う存在・・・大抵の親はその量の多さに涙するはずだ。(爆)

4年の算数では整数、小数、分数の四則演算をほぼ全部習い、
図形や立体の基礎を学ぶ。

理科は4年から6年まで各学年毎に繰り返し学ぶので、やや安心か?
「生物」「化学」「物理」「地学」の単元が、
それぞれの学年で学ぶ事が出来る。

「社会」はややクセモノ。
おおよそ4年で「日本の産業」「地理」。
5年で「歴史」。6年前期までに「国際社会と政治」。

ちなみに5年生以降は本格的な受験体制になる。
塾通いは週に4~5回になる。

さて、中学受験中、もっとも大切なのは、
「5年の算数」であると思う。
中学受験に必要な単元はほぼ全て5年で出てくる。

5年の算数は、塾を1日たりとも休めない、と言うくらい大切な時期だと思う。

そして、5年の終わりか6年の最初に学ぶ、
「比」が非常に重要なポイントを持つ単元である。

6年生になると、ほぼ全教科、「新規の単元」は余り出てこない。
総復習となる。

大抵の塾では5年か、遅くとも6年の夏休み前までには、
全ての新規の単元は終わってしまう。

夏休み以降は総復習と志望校対策になる。

おおよそ、実績のある塾の進度は上記のような形である。

5年生以降になると、大抵の塾では週末にテストがある。

コレによって、週ごとに厳密に課せられている単元を、
理解しているかどうかが非常に良く分る仕掛けになっている。

公立の小学校の成績表はABCとかの3段階で表されるが、
はっきり言って、絶対評価を採用しているため、
教師の采配でいかようにも変えられる、
全く信用のならないシステムである。
中学受験を志す親は、決して、現在の小学校の成績に振り回されてはいけない。
無視すべきである。
(事実、私立最難関校の校長先生が、小学校の成績表は合否に影響しない、と断言していた)

頼りにすべきは塾で課してくる週末のテストや、
大規模な模擬テストの詳細なデータのみを信頼すべきである。
コレは大変素晴らしい分析がされている。
自分の子供の苦手な部分が容赦なく分析されている。

少なくとも、「国語」「算数」「理科」「社会」の学力を高めるには、
中学受験塾に通わせるのが一番の近道かと。
できれば2年生の2月から。

ちなみに中学受験生の上位レベルは下手な大人顔負けの知識を有している。

中学受験塾・・・畏るべき存在である。