東京・山の手秘話 第6話 「官僚とその家族達」

最近、立て続けに官僚のご一家が殺人事件に巻き込まれてしまった。
ご冥福をお祈り申し上げます。


第6話 「官僚とその家族達」

官僚・・・それも本省の官僚・・・

通常の社会生活を送っている限り、
実はまず関わりのない人達。

たまに新聞で収賄だ~とか言ってケシカランと逮捕されたりする人達?

今はもうとっくの昔に無くなってしまったが、
当時の麻布地区には「官舎」が沢山あった。

つまり、霞が関の「本省」の役人達がそこに住んでいたのである。

今でも、現代日本のエリートの進む道とはこんな感じであろう。

中学受験で筑波大学付属駒場に入学→東京大学法学部→国家公務員試験合格→キャリアとして入省。

そして役人として出世し、国家行政の中枢を担う仕事をする・・・

それでは本省の役人とはどれほどの権力を持っているのだろうか?

まずはオヤジの目撃例・・・

昔、オヤジが某省に仕事で行った時、
○×省の若い課長がイスに座ったまま誰かと話し込んでいた。
相手はかしこまって立ったまま・・・

それは、日経新聞などでもたまに載る、
日本を代表するスーパー商社の年配の専務取締役であった・・・・・

本省の役人のエリート中のエリートとは、
それ程の権力を持っているのである。

さて、彼ら官僚とその家族とは一体どんな生活をしているのだろうか?

これから書く事はもう30年以上昔の、
それも「官舎」に暮らしていた人の話しなので、
現在とはそぐわないかもしれないが、
個人的には思う所があり、書き留めておきたい。

私は官僚の肩を持つ気などサラサラ無いが、
どうも間違ったイメージが持たれている感もなくもない。

もちろん、私自身の感覚が絶対正しいとは断定できない。
ただ、現在起こった殺人事件に対し、
一部、犯人に喝采を送る人間の存在を見るにつけ、
あえて独断に基づいて書いておく。

当時、麻布地区には「官舎」が沢山あり、
そこから「本省」に通う、
官僚の一家達が居住しており、
私は小中学時代、官僚の一家達と知り合う機会をたくさん得た。

ちなみに、高校の田園調布時代においては、
如何に超高級住宅地、田園調布と言えども、
官僚の一家とは、ついぞ知り合えなかったので、
非常に貴重な体験であったと言える。

彼らは一般的に家族も含め、非常に真面目な印象を受けた。
時に融通が効かない、と思うほどの。

そして、非常に質素な暮らしをしていた。

今にして思うと、
本省の課長や部長クラスまたは某署長と言った人達であった。

後に次官や審議官になったかどうかまでは不明。

いずれにせよ、彼等の印象は、
遵法精神が強く、質素で、真面目で、そして、ここがポイントだが、
子供の教育には非常に熱心だったと記憶している。

当時は今と違って私立中学の受験など、
麻布地区と言えどもほとんど無かった。

しかし、彼ら官僚の子供は、
中学受験こそしないが、中学受験組と同等のレベルを保ち、
高校受験においてかなりのレベルの都立高校へとこぞって進学して行った。

ちなみに、当時、私の通っていた公立中学において、
一学年僅か130人くらいであったが、
3人、東大法学部へ入った。
その3人とも官僚の息子達であった。

他にも早稲田、慶應もそこそこいたし、
他の国公立大学進学者もいた。

今にして思うと、驚くほど教育熱心であり、
また、結果を出していたように思う。

彼らについては特別良い印象もないが、
逆に悪い印象もない。

別段、偉ぶっていた訳でもないし・・・

何故、これほどまで批判されるのか?
(もちろん、犯罪を犯した者は別であるが)

官僚にだって、
良いヤツもいれば、悪いヤツもいる。

ただ、それだけの事だと思っている。

まあ、持っている権力が巨大なので、ある程度の批判は仕方ないか?

ちなみにその内の息子一人とは今でも友達である。
その父親は本省の部長クラスで退官。
後にスーパー大企業に役員待遇で天下り
現在は悠々自適の生活。
そして、人間的には・・・大変尊敬できる好人物である。

ま、こんなところでしょうか・・・
(-0-;