「お上品」が粉砕された時

さて、昨日の「山の手言葉」の続きです。

そのお母様は勿論、お上品率が極めて高い「A」地域の中においてさえ、
ダントツNO1のお上品さでPTAでも有名であった。

夫は天下のT大助教授(後に教授)。

長女はKに通う才女。

しかし、何故か息子はバカだった。

それ故、私のようなバカと友達になり、
周辺のバカと一緒になって、ある日、そいつの家に遊びに行った。

東京のスーパー高級住宅地の中でも、
一際目立つ品格のある家に住んでいた。

決して派手ではない。しかし、堅牢で広く素晴らしい家。
おそらくは代々のお金持ちでもあるのだろう・・・

スーパーお上品お母様に出迎えて頂き、
部屋に通された。

大変、豪華な造りである。
さすがに大学教授の家。
本で埋め尽くされているのはご愛嬌。
むしろ、凄まじいまでの教養を逆に感じる。

居間にはグランドピアノが置いてあり、
ショパンの難解な楽譜が開いてあったのを私は見逃さなかった。

私「誰が弾くの?」

バカ息子「うん?あ~、オヤジがたまに弾く」

おお~、違う、違うぞ~、教養の塊り一家である。

そして、しばらくすると「お手伝いさん!!!(@0@)」と共に、
美味しい「お紅茶」を持って、お上品お母様が登場した。

学校のお話しなど、当たり障りの無い事を話していた。

すると突然、下の方で何やら叫ぶ声が聞こえた。
ギャーーーーーッ、とか、ウォーーーーーーッ、とか・・・

お上品なお母様は一瞬顔を引きつらせた・・・

「?????」

ドンドンドンッと荒々しく階段を昇って来る足音がしたと思ったら、
突然、部屋の戸が開いた。

そこには、T大助教授が立っていた。
ステテコ履いて?(記憶が定かではないが、立派な格好ではなかった)

後に×送大学のテレビで見るような、
品格、優雅、温和さは微塵もなかった。

「ウォーーーーーーーーーーーッ、ガキかっ?コラーーーーーッ!!」とか、

一番体のデカいヤツに「う~~~~~ん、美味しそう」とか言って包丁をピタピタさせてみたりした。

そして、嵐のように、突然、何事も無かったように、いなくなった。

寂しそうに恥ずかしそうに微笑むお母様がいた。

どうやら、D文学のKと言う超難解な実存主義を研究するうちに「紙一重」になったらしい・・・
いや、元々そうだったのか・・・

そう言えば、その息子(友)言ってたっけ・・・
「小さい頃、ウンコってどんな味がするんだろう?って思って、
 姉貴に言って、K門から出るところを口に入れた事がある。
 苦かったよ~」

ちょっと危ない家系だったのか?
(><)