直感の重視

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毛利元貞と言う犯罪対策の専門家がいる。

外人部隊にいただけあって、
格闘術のプロでその筋の著作も多いが、
最近ガラっと傾向が変わってきた。

個人的には非常に興味深い本を最近上梓してきている。
(写真参照)

子供だけでなく痴漢やストーカー対策などにも、
相当有効だと思われる。

今までの防犯と言うと、
格闘技の延長戦にあったと思う。

後ろから首を絞められたらこうせよ、とか。

しかし、実践ではほとんど役に立たないし、
(一度や二度の講習を受けたくらいでは)
ましてや子供には全く使えないものだ。

子供に下手に格闘技を学ばさせると、
逆にトラブルに巻き込まれ易くなる。

大人でも格闘技を習えば何となく使ってみたくなる。
まして子供に自制心などあるはずもない。

実際、学級崩壊のさなか、
暴力問題を巻き起こしていたのは、
残念ながら格闘技を学んでいる子供たちだった。
(もちろん例外はあるが)

「武道は子供の心身を鍛える。」などと言って、
習わせているだけで放って置いている、
勘違いしている親の如何に多い事か。
あきれるほどだった。

個人的には武道は大好きだ。
心身を鍛える面が大変ある事も認めている。

しかし、反面弊害がかなりあるのも事実で、
子供に武道を学ばせる場合、
そのコントロールには細心の注意が必要だ。

ちなみに、私の娘に暴力をふるっていた男の子の親は、
自分の子供は武道を習い、礼儀正しく、良い子だと思っていたようだ。

学級崩壊のさなか、その事を指摘したら、
まさか我が子がと、愕然としていた。

当然の事だが、子供の、親の前で見せる顔と、
友達の前で見せる顔は全く違う。

幸い、それほど感情的になる方ではなく、
お詫びと再発の防止を確約していただき、
その件については落着した。

さて、最近の毛利元貞の著作では、
こんな事を言っている。

普通に社会生活を営みたいと考えている人にとっては、
実際の犯罪場面でも暴力は基本的に使えない。

残念ながら、余程切迫した事態でも、
日本の司法は「正当防衛」を認めない。
(念のため、女性はかなりの程度認められている)

一例を挙げると、
ある男性が妻と「子供!」を連れて自動車で走行中、
暴走族の集団に囲まれ、武器で車を傷つけてきた。
身の危険を感じ、一台のバイクを跳ねてしまい重傷を負わせた。
この場合でも執行猶予付きの有罪である。

そこで、まず何より「直感を重視せよ」と強調している。

犯罪者は周囲とは必ず違う「違和感」を発信している。
あるいは顔見知りであるのなら、いつもと違う「何か」を。
それを見抜く訓練をせよ、と。
すなわち直感を重視する。

小さい頃から訓練し、
事前に回避行動を取る事を覚えさせる。
そんな例がこれらの著作には満載している。
最近では文庫本も出ているようだ。

幸い「ワークショップ」なるものが、
小学校でも開催され犯罪対策に一役かっている。

私も娘を参加させた。大変タメになったと思った。

「直感重視」と言うのは子供大人にかかわらず、
日常生活の安全のためにかなり役立つと思って実践している。

犯罪はまず、起こった時の対処ではなく、
事前の回避行動を優先させて覚えさせる。
これが基本だと思っている。