「天体望遠鏡の思い出」その2

天体望遠鏡の思い出」その2

[高橋製作所MT160SE&PENTAX75SDHF]

今から20年程前、
社会人となっていた私は、
ある日、書店のベストセラーコーナーで本を見つけた。
「ホーキング、宇宙を語る」と言うタイトルだった。

手にとって少し読んでみると、
子供の頃に聞いた話しの、その続きが見事に書いてあった。

幼稚園児の頃から天文は好きだったが、
段々エスカレートしてゆき、小学校の中学年から、
今は無き渋谷の「五島プラネタリウム」に毎月通っていた。

その時「宇宙の始まり」について聞いたが、
「宇宙は握りこぶしくらいの大きさから始まって、
ビッグバンを起こした。それより前は分かっていない。」
と言う話しだった。

「ホーキング、宇宙を語る」には
「無からの宇宙創成」「特異点」「無境界仮説」とか書いてあった。
ぶっ飛んでしまった。

それ以来、再び天文に凝り始めた。
早速天体望遠鏡ショップに行った。
独身男の大人の趣味である。
手加減知らずである。

高橋製作所の16cm反射望遠鏡(MT160SE)を手に入れた。
色々と改造を施し、また、備品を思い切り購入し、
びっくり仰天するほど注ぎ込んでしまった・・・
(^^;

この天体望遠鏡は大変素晴らしく、「完璧」と言って良い。
怖ろしく緻密で全く一分の揺るぎも無い。
日本の製造業ここにありっ!!の感じだ。

宇宙飛行士の土井隆雄氏も高橋製作所の望遠鏡を愛用しているそうだ。
特注品を使用していると、大分以前、天文雑誌に書いてあった。

ちなみにどのくらい凄いのかと言うと、
マニアックな性能の凄さは横に置いておいて、
見た目がこれ見よがしで大変良い。
(^^;

天文趣味は夜間に行う趣味である。
当然、場所によってはパトカーがやって来る。
そしてお決まりの職務質問が始まるのだが、
高校生の頃のバイクで集まっていた時の職質とは全然違う。
職質と言うよりも、完全敬語の見せて下さい口調になる。

「うわ~凄いですね~、これっていくらぐらいするんですか?
ええ~っ!!(改造費含めて)100万円!!
覗いても良いですか?
うわ~土星の輪が見えるっ!!初めてですっ!!
うわ~感動しました。有難うございましたっ!!」と言った感じである。

高橋の天体望遠鏡、まさに一生物の買い物であった。
もちろん今でも大切にとってある。

ちなみに今はサブ機として、PENTAXの屈折望遠鏡
75SDHFと言うのも愛用している。
こいつも小さい割には高価で凄い性能を誇っている。
何も出来ない、どノーマル仕様で約35万円、
色々備品を購入して50万円と言ったところだった・・・

天体望遠鏡を購入する時は、
例えば30万円とか書いてあるが、
「どノーマル」では見る事以外、何も出来ない。
撮影機材一式、太陽投影板、高級アイピース(接眼レンズ)、
自動導入コンピュータ等々その他もろもろ・・・・・
上を見ればキリの無い怖ろしく金のかかる趣味である。

独身貴族の特権であった。
今は昔・・・
(^^;