商店街の魅力

以前、谷根千に行った時のこと。

念のため谷根千とは東京の「谷中」「根津」「千駄木」の頭文字を取った略称で、
大きな昔ながらの商店街が展開していて現在大人気になっている場所だ。

新しいクラブがある訳でもなく、
何の変哲もない昭和時代みたいな商店街があるだけ。

寺やら博物館も少々あるが、巨大墓地まである。

今まで特に注目されるような場所ではなかったと思う。

ところが今や超大人気の街。

みんなそこで何をやっているのかと言うと。

商店街の総菜屋に並んでコロッケを買って立ち食いしたり。

昭和レトロな店でクリームソーダみたいな昭和な飲み物を飲んだり。

饅頭やら煎餅やら佃煮を買ったり。

平成時代も終わろうとしている現代において、
他に最先端の楽しみはいくらでもあるだろうに、と思うのだが。

これがまた異常に楽しかったりするのだ。(笑)

老若男女問わず、喜々として谷根千を歩いている。

不思議な街だと思う。

さて反面、私の暮らしている地元。

つい最近、今まで小さな商店街だった場所が全部さら地にされたと思ったら、
新しくコンビニが出来た。

もう1つ、小さな商店街が残っているが、
ほぼ空き室となり、現在は八百屋さんが一軒残っているだけ。

何故大勢の人は谷根千に行くのか。

何故その他の場所の商店街は寂れコンビニが建つのか。

色々な理由は専門家に任せるとして。

間もなく始まる令和時代。

昭和レトロとは、もう既にかなり昔の時代になっていて、
昔ながらの商店街は令和時代を生きる人にとっては逆に珍しいものになっているのだ、と思う。

日常で必要な商品は全てスーパーで買える。

もう商店街で買い物をする人はほとんどいない。

スーパーのレジで並んでいる時。

それを当たり前だと思う人がほとんど。

だが谷根千と言う強烈な存在を前にした時。
現代の人はそれを「楽しい」と感じるのだと思う。

実に興味深い時代になっていると感じている。

終わり