海外旅行とクーデターと戦車について(兵器の恐さを知らない日本人)

「海外旅行とクーデターと戦車について(兵器の恐さを知らない日本人)」

戦車・・・何をそんな突拍子もないことを!!と言う人も多いかと思います。

戦後民主主義の中で生きる私達日本人は武器や兵器についての知識が皆無です。

厄介なことに知らない方が偉いと考えている人がかなりいると感じています。

取り敢えず、一生日本だけに留まっているのでしたらともかく、
海外旅行を考えている人はそういう訳にはいきません。

世界各地では戦争も多く起こっていますが、
戦争以外でもクーデターは結構な頻度であります。

例えば優雅な隠れ家的海外リゾートとして発展途上国の観光地を訪れていたとします。

こういう時にクーデターに遭遇した場合、
軍が関係しているケースがほとんどのため、
直ぐに街中に戦車が投入されてしまいます。

発展途上国で使用されている戦車は大抵の場合かなりの旧式です。

兵器に詳しくない人でも映画などで見てますでしょうから、
何となくオンボロだと分かるでしょう。

確かに旧式の戦車は、現代の最新鋭の戦車と比較したらおっそろしく性能が劣っています。

そこで何となく見下してしまいます。

あるいは私達日本人の戦後民主主義もしくは戦後平和主義と言った妙な政治志向を出してしまった場合、
武器に対するヒステリックな過剰反応を起こしてしまい、
極めて危険な思考をしてしまいます。

そのような感覚に陥ってしまう原因の1つには日本の報道姿勢があります。

非常に良くないです。

いや、もっと言います。

最悪です。

例えば中国の天安門事件の時の報道を思い出してみましょう。

日本で繰り返し報道されたのは、
Wikiからの借り物の写真ですが、
学生らしき男性が戦車の前に立ちはだかり、
戦車の進行を食い止めたと言う英雄的な写真です。

イメージ 1

この写真は世界中にも配信されました。

これ、日本人の感覚だと「ペンは剣よりも強し」となり、
写真どころか動画を見た場合、感動的ですらあります。

しかしこの後で彼はどうなったのか???

日本のマスコミはまるで積極的に報道しようとはしませんでした。

この事件についての詳細は当記事の主旨から外れるため述べませんが、
要するに、旧式の戦車であっても、
何千人、何万人の人が集まっていようが、
それを軽く鎮圧できる力があると言う事実なのです。

「鎮圧」・・・これ、イコール「虐殺」です。

戦車と言う存在は近くで実弾を発射するのを目の当たりにするととんでもない迫力があります。

映画で見るようなものとは訳が違います。

空気が振動するのって今の日本では先ず感じられないシーンかと思います。

しかし戦車砲を発射する時、空気が凄まじく振動します。

また日本の日常生活では絶対に聞けない巨大な音がします。

多分、子供は泣き出します。

以下にそのシーンの動画を掲載しますが、
間近(と言っても100~150mくらい)で見ると本当にとんでもないド迫力があります。


観客の「ぉおおおおお~」と言うどよめきが分かるかと思うのです。

実弾発射と言うものがどういう事を意味しているのかがある程度はご理解頂けるかと。

しかもこの戦車はかなり旧式なのです。

海外旅行中、戦車が街中に投入された場合、
激しい戦闘になるのか、直ぐに鎮圧されるのかはともかく、
既に軍に囲まれた状態と思っていいため、
もうこの段階で迂闊な行動は出来ません。

逃げよう、だとか、話せば分かる、は通用しません。

まして天安門事件の写真のような抗議は大変危険です。

どうすべきなのか?は、その国の状況、その時の状況により非常に大きく変わってきますから、
こうすべし、などとは言えません。

いずれにしても発展途上国の政情は、
リゾート地では良く見えても実態は極めて不安定と考えていいでしょう。

ましてリゾート地に来るお金持ちと現地の貧富の差が大きければ大きいほど、
クーデターが起こる可能性は想像以上に高いと思っておくべきでありましょう。

そして起こった場合は、かなりの確率で戦車が投入されます。

ちなみに戦車には旋回砲塔以外に機関銃も装備されていますから、
かなり離れた位置から大量の銃弾を浴びせることが出来ますので、
デモ隊などひとたまりもないのは言うまでもありません。

また、迂闊にホテルの窓際から覗いた場合、
軍による制圧が開始されるので、
狙撃兵と間違えられてあっさりと銃撃を受けてしまいます。

私達日本人は日本にいる限りにおいては取り敢えず今のところ平和ですが、
海外はそうではない、と言う冷徹な事実を今一度確認する必要があると思っております。

知らない、知ろうとしない、そのくせ海外の穴場的リゾートは大好きだとしたら。

想像以上に危険であるかと思うのです。

終わり