原子力発電と再生可能エネルギー発電の大問題について

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原子力発電と再生可能エネルギー発電の大問題について」

「ドイツの脱原発がよくわかる本」川口マーン恵美著を読んで

当記事の主旨は原発について是非を問うものではありません。

この本の内容にある≪電気の基本原則≫に則って、
電力事情の基本を押さえた上で国家の電力の将来を考える事にあります。

現在、保守派は「原発が無いと電気が足りなくなる」と嘘を言います。

またリベラル派は「原発が無くても電気は足りている。だから大丈夫」と意図的に重大な事実を隠蔽しています。

テレビでは特に夏場に最高電力需要時間帯のようなグラフを提示して、
節電を呼び掛けています。

この事自体は間違いではありませんが、
とんでもない誤解を招きかねない表現が普通にされています。

電気が足りている、足りていない議論です。

どちらも電気の基本原則を無視していると言う点において≪極めて悪質≫です。

最初にその基本原則を書いておきたいと思います。

案外知らないでああだこうだ言っている人が非常に多いように見受けます。
(自省を込めて書きます)

もし以下の基本原則を知っていて上記のような「足りている足りていない意見」を言っていたら悪質過ぎます。

・電気は溜められない

・発電した電気は即座に消費しないととんでもない事態になる

・発電量と消費電力量の差は常にほぼゼロにしないといけない

・その管理は24時間体制で各電力会社が細心の注意をしながら行なっている

・発電量と消費電力量の差が大きくなった時「ブラックアウト」と呼ばれる大停電が起こる
(シミュレーション小説「TOKYO BLACKOUT」福田和代著に詳しい)

・一旦ブラックアウトが起こったらそう簡単には復旧しない

・電気は余ってもダメ、少な過ぎてもダメ

・安定的な電力の確保は実は想像以上に難しい
(先進国では当たり前のように安定的な電力を提供しているが実は至難の業)

太陽光発電風力発電は天候に大きく左右されるため安定的な電源としては使えない

・もし太陽光発電風力発電の割合を大きくしてしまったら、
現代の技術では壊滅的な打撃を受ける可能性がある

・もし太陽光発電風力発電の割合が大きくなってしまったら、
少なくとも電気料金は異常に高くなってしまう

このような事を書くと、嘘だろう?と言う人も多いかと思います。

何故なら私達の身近ではスマートフォンや自動車、電動自転車など、
「電気を溜めることができるバッテリーがあるじゃないか?」と。

実は、このくらいの超小規模な電気であるのならば、
再充電が出来るバッテリーは存在していますが、
発電所レベルの大電力は溜められない≫のが電力事業関係者の常識になっているそうですが、
あいにく、非関係者で知っている人は非常に少ないと感じています。

現在、日本の電力についての考えは、
保守派とリベラル派の間で極めて大きな意見の相違があり、
≪嘘≫と≪意図的な真実の隠蔽≫を双方が行なっている悲惨な現状があります。

余談ではありますが、
最近の私はつくづく≪政治的信条を持つ者は悪質である≫と思っています。

平気で嘘をつけると言う一点において。

右でも左でも、です。

最近、保守派は北海道大地震の時に起こった大規模な停電(ブラックアウト)で、
原発が停止しているから起こった、だから原発は必要なんだと言うデマを流しました。

これは嘘です。

またリベラル派や多くの日本人は、色々な統計を見る限りにおいて、
過半数の人が原発の再稼働に反対しています。

そしてこう思っています。

原発を止めて、太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱などの再生可能エネルギーを進めて行けば、
将来にはとても明るい電力事情が待っていると勝手に思い込んでいます。

特に太陽光と風力に対して強い思い入れがあるように感じています。

さらにリベラル思想と環境保護は相性が良いため、
信仰と言ってもいいレベルにあると私は感じています。

では、原発を止めて、太陽光や風力発電に切り換えた場合、
理想的な電力が確保できるのでしょうか???

実はそれを実践している国がドイツなのです。

ドイツは原発を全面的に廃止する事を決定して、
今は再生可能エネルギー、つまり電力では太陽光や風力発電のパーセンテージを高めるべく、
大変な努力をしています。

今、ドイツで何が起こっているのか???

実はとんでもない事態になっています。

結論から先に書くと以下の通りです。

・電気代が異常に高騰している

・電気の安定的な提供が難しくなっている

・将来、隣国から電気を融通してもらう必要がある

ほとんどの日本のマスコミはこのような事を知らせません。

悪質です。

現在、ドイツでリベラル派や環境保護主義者が狂信的に進めているのが太陽光と風力です。

特に太陽光は各家庭でも設置できるため、
国は電力会社に強制的に余った電力を買わせるように法律を作っています。

さて、ここで基本原則をもう一度確認してみます。

発電量と消費電力量を常に差をゼロにしないといけない、です。

従って電力会社はその日その日その時間その時間の細かな天候など様々な要素を勘案して、
消費電力量を予想して発電量を決めて対応しています。

このような状況を考慮した場合「発電される電力は調整が出来るタイプが良い」となります。

つまり、安定的に発電し、なおかつ調整が取れ易い発電方法です。

最悪な発電は一定しないタイプです。

はい、そうですね。

太陽光発電風力発電は恐ろしくバラツキがある発電方法です。

「調整など全く出来ない発電方法」であるのに大変な注意が必要です。

ほとんどのリベラル派や環境保護主義者は「電気は余っている。だから原発は要らない」と主張します。

これはとんでもない間違いです。

もちろん足りないのはいけません。

しかし、ここで決定的に重要なのは「余ってもいけない」そして、
「発電量と消費電力量が常にゼロでなくてはいけない」です。

太陽光発電は晴れの日以外は極めて不安定になります。

曇りや雨でも発電量は少なくなってしまいます。

そして夜は発電が出来ません。

風力発電も当然天候に左右されるため、
安定的な発電方法としてはダメです。

つまり晴れの昼間だけ、やたらと電気を作り出す太陽光発電と、
風の強い時だけやたらと電気を作り出す風力発電は極めて不安定であり、
ブラックアウトの可能性を高める最悪の発電方法なのです。

ここできちんと把握しておかないといけないのは、
≪不安定な発電方法ではどんなに大量の電気を作っても危険が伴うだけ≫
と言う理屈です。

マスコミ報道だけに接していると、
足りていれば大丈夫と思い込んでしまいます。

電気の供給量が需要量を上回っていれば安心である、と。

繰り返しますが、これはとんでもない間違いです。

ブラックアウトの可能性が高くなるだけです。

そのため、電力会社では余った電力を調整する作業が必要になります。

足りなければ足りないで調整する作業が必要になりますが。

そこでどうするのか?と言いますと、ドイツでは、
太陽光や風力が使えない時は代替発電を用意して対処します。

つまり別の発電方法を用いた発電所を別に用意して対処する訳です。

しかも発電量を調整し易いタイプでなければならないのは言うまでもありません。

別の発電所を作る行為=大変なコストがかかる=電気料金の高騰

ちなみにリベラル的な考えをする人は経済的な問題に対して酷く無責任な特徴があります。

高くなってもいい、と考える人が多数いるでしょう。

しかし、電気料金の高騰=産業への打撃=安くて質の良い製品が作れなくなる=経済的大打撃
と言う構図が理解できません。

あるいは理解しようとしません。

エネルギー政策において無頓着なのは経済的破綻を望んでいる?と誤解されても仕方ありません。

はっきり言ってしまうと一顧だに値しない考えです。

原子力発電をどうすべきなのか?については今回の当記事では触れません。

しかしこれだけははっきりと断言できます。

太陽光発電風力発電は(現在の技術では)まるで使い物にならない、と。

こんなものを国策として推し進めて行ったら日本経済は壊滅的なダメージを受けてしまいます。

終わり


追記:

ドイツの場合、国境を接している国がありますから、
「電気を融通し合える環境」にあります。

しかし日本は海に囲まれた国です。

ドイツとは比較にならないくらい太陽光発電風力発電が使えない地理的事情を抱えています。