昔、読書が好きだった父が言っていた。
「実は読書をする人は凄く少ないんだ」と。
今はネット時代が到来しているから、
新聞はおろか雑誌ですらも購読者数が激減している。
単行本はもっともっと減っている???
電子書籍やネットサービスの利用者が増えてはいるのだろうが、
残念ながら爆発的感はまるでない。
電車の中でスマホをイジっている人は多いけれど、
大抵はゲームかSNSだ。
それでも大書店はなかなかどうして健在ではある。
そこでふと確率で考えてみた。
例えば非常に有名な小説「ノルウェイの森」。
これは1000万部以上売れたと言う。
こうなると日本人1億2700万人分の1000万、
つまり12.7分の1。
日本人の12.7人に1人は買っていることになる。
まあ、読んだかどうかは別にして。
しかしこの本は例外的であり、
日本では100万部が売れたら大ベストセラーの扱いになるので、
これだと127分の1。
つまりベストセラーとは127人に1人くらいが読むものになる。
通常の書籍はもっともっと少ない。
10万部でもかなり売れている本と言っていい。
こうなると1270分の1。
実は10万部売れる本と言うのは年間当たり300冊くらいしかないとも言われている。
ちょっとマニアックな本になると驚くほど少ないのが本の世界の実状だ。
つまり、この数字を逆算してみると、
日本でそれなりに売れている本を読む人でも、
1000人に1人くらいしかいない計算になる。
そこでSNSを思い出してみる。
SNSとは日常生活を書く見事な日記であるから、
本を読んでいる人でSNSもやっているなら、
確実に読書感想をアップしてくると言っていい。
だが、アップしている人。
想像以上に少ない。
つまり上記の10万部くらい売れる本をよく読んでいる人は1000人に1人くらいと言う理屈。
荒っぽい計算だが・・・残念ながら当たっているように感じている。
要するに元々本をよく読む層と言うのは非常に限られているのだ、と。
そしてつくづく思う。
小学生時代から先生方は「読書が大切」と言うし、
毎年毎年読書感想文が宿題として課せられている。
推薦図書も多くある。
だが、読書が定着する人は驚くほど少ない現実。
これは英語と似ているとも思う。
今では小学生からちょっと学び、
中学高校では恐ろしいまでの時間をかけて英語学習が行われている。
6年間みっちりと、だ。
大学受験でも英語は理工系文系に関わらず必須科目になっている。
だが、英語が話せる人は驚くほど少ない現実。
労力の割には報われない事って結構あるのかな?と思ってしまった。(苦笑)
終わり
追記:
昔は本を読む人が多かったと言うのも事実とは違う。
本しかなかった大正時代以前なら話は別だが、
昭和時代においても電車の中で本を読んでいる人は稀だった。
今とそう大差ない。
むしろ電車の中でマンガを読むのはケシカランという人もいたり、
エッチなスポーツ新聞を電車で読む人も多く、
一時は社会問題になっていたほどだったのを忘れてはならない。
手軽なゲーム機が販売されたら多くは電車内でもゲームに興じるようになったのは言うまでもない。