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よく外国人力士の「日本には人種差別は無い」などと言う発言を取り上げて、
日本は如何にも進んだ平等の国を印象付けようとしていると感じることがあります。
実はそれは全くの間違いであると言えます。
外国人にも親切な傾向があるとは言えるでしょうが、
実際のところは「人種差別を知らない」から勝手な事が言える、
が正しいところだと思います。
在日朝鮮人や韓国人の問題でも非常に揺れ動いているのが日本です。
まだ、本格的な移民を体験していないと言った方がいいと思います。
バブル時代、労働者の深刻な不足からイランとのビザ相互免除を廃止したところ、
恐ろしい数のイラン人が押し寄せて上野の山に集結して、
そこで不法テレホンカードの販売などをし始めてしまい、
異様な光景だったのを覚えている人も多いでしょう。
もちろんこれは危ないと直ぐに廃止されたようですが。
大量の外国人が押し寄せて来て、日本で生活を始めた場合、
移民立国アメリカが現在悩んでいるような事態になると考えた方が無難です。
とは言え、アメリカは移民の国でもありますから、
古くから人種差別撤廃に向けて様々な取り組みをしてきた実績があります。
中でも≪affirmative action≫と呼ばれる取り組みが大変興味深いです。
これは積極的差別是正措置と言う訳語が当てられているようです。
特に有名なのはアメリカの大学です。
人種差別で最終的に何が一番問題なのかと言うと、
最近では「教育」が非常に重要であると認識されているようです。
教育が受けられないから貧困の連鎖に陥り、
それがさらなる差別を助長する、と。
昔のアメリカでは黒人の大学進学率は驚くほど低かったと言います。
そこで≪affirmative action≫を導入したそうなのです。
これ、分かり易く説明しますと、
例えばある大学の募集人員が1000人だったとします。
黒人の大学進学率が仮に1%だったとします。
すると1000人の学生のうち10人しか黒人がいないことになります。
これは明らかに黒人に不利なため、
≪affirmative action≫により、黒人の学生数を10%、つまり100人にしなさいと大学側に強制する取り組みです。
積極的に介入して、黒人を優遇して、少なくとも100人は入れて人種差別をなくす努力をしよう、と。
ところが、なのです。
この仕組みは弊害も生んでしまっているようです。
時代が変わって黒人の進学者数が200人、300人になってしまい、
こうなると逆にこの仕組みが黒人の大学入学枠を押さえてしまう事になります。
また、白人側もこの仕組みを逆差別と考えます。
能力によって決められるべき大学進学が、
おかしな仕組みによって侵されている、と。
そして自分達の大学進学の権利が奪われている、と。
現在は結構な議論対象になっているようですが、
少なくともアメリカは差別に対して積極的に是正しようとする試みを色々実行しているとも言えます。
日本においては「日本人は親切だから差別なんかしない」で済ませようとしています。
今、積極的に移民を受け入れている日本です。
今後、定住する外国人が増えて行った時、
様々な問題に直面します。
大学進学問題も出てくるでしょう。
他にも永住権、帰化、参政権、そしてそもそもの差別問題を今からきちんと考えておかないと、
とんでもない社会になってしまいそうな予感がしております。
終わり