日本人は軍人を知らない

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森鴎外記念館(東京・千駄木)に行きますと、
展示コーナーの片隅に生前の森鴎外が写っている「動画」がエンドレスで流されています。

この動画は確か当時の皇太子殿下が外遊から戻られた際に出迎えに行った時のものです。

チラッとですが、歩いて画面を横切る生前の森鴎外を見ることが出来ます。

実は私は何度も行っている森鴎外記念館なのですが、
(何故何度も行くのかと言いますと特別な理由があるからで、
 それはまた別の機会に)
何度その動画を見てもドキリとするのです。

そこには当時の軍人が写り込んでいるからなのです。

現代の平和主義国家日本で暮らしていると、
実は私達日本人は「軍人を知らない」のだと気付かされるのです。

自衛隊員がいるではないか?と怒る人も多いでしょう。

しかし現代日本自衛隊員は明らかに当時の軍人とは違って見えます。

その良し悪しはともかくとして、
軍人とはどういう存在なのか、その本質的な意義を私達日本人は知らないし、
おそらく自衛隊員自身も分かっていないと感じています。

一部の日本映画ではもちろん軍人が登場しますし、
時代考証もきちんと行なって映画化されているでしょう。

しかし現代の日本映画に登場する俳優達の演技では無理だと感じています。

森鴎外記念館の動画。

あるいは時折記録映像として登場する当時の日本軍の姿。
(戦っている姿ではなく普通に街を歩いている姿として)

この感覚はちょっと分かり難いと思いますので、
私自身の体験談を書いてみたいと思います。

昔、トルコを旅行したことがあります。

当時は一応治安は安定していましたが、
軍事政権時代だったトルコです。

イスタンブールの街中には本当に30mおきくらいに軍人が立っていたのであります。

彼らは全員「小機関銃」で武装していました。

私は戦後民主主義で育った普通の日本人なので、
逆に軍人の恐さを知りませんでした。

道に迷った時、安心できそうに見えてしまい(警察官と似ている)、
道を尋ねていました。

彼らは話し掛けると一瞬驚くのですが、
こちらが明らかな外国人なので逆に警戒しないようで、
親切に教えてくれました。

後から考えると、この私の行動は非常に軽率であったと言わざるを得ません。

治安維持のために配置されている武装した軍人。

これが何を意味しているのか?

彼らは間違いなく「命がけ」の仕事をしています。

本当に殺される可能性が非常に高い仕事です。

また逆に殺す可能性も非常に高い仕事です。

軍人とは命をかけている人達なのだ、と。

この当たり前の事実に戦後民主主義の日本人は体験的に気付くことが出来ません。

そしてここが決定的に重要なのですが、
「彼らは完全に合法的な存在である」と言う点なのです。

つまり陸軍も海軍も空軍も全て合法的であり、
当たり前のように存在しているし、
極めて「合法的に」仕事をしているのです。

要するに「合法的に殺せる仕事である」と言う事です。

今の日本の自衛隊は、
憲法にその存在を記載するかどうか」で揺れているほどファジーな存在なのです。

こう言った法律上の制約が、
明らかにかつての軍人とはまるで違っているように私には見えるのです。

絶対的自信がない、と言えるかとも思うのです。

第二次世界大戦前の日本では、
日清戦争日露戦争第一次世界大戦を経験した軍人が普通に大勢いた訳です。

こういう人達の存在感は圧倒的です。

サーベル?軍刀?を下げた軍人が普通に街を歩いている姿。

時折記録映像に登場する白馬に乗った天皇陛下の後に続く将軍達の姿。

歴戦の軍人と言う存在がどういうものなのか。

独立国家とはどういうものなのか。

今の日本人は決して知らないし知ろうともしません。

そして知らないことを偉いことだと勘違いしています。

しかし世界の実状はまるで違います。

日本だけが例外でいられると思う方がどうかしています。

と言うよりも実は日本はこと独立と言う一点においては非常に悲惨な状況にあります。

日本国の至る所に存在している某国の施設の中においては、
今でも某国の軍人の姿は見ることは出来ます。

現代の日本映画の中の軍人を見るよりは、
某国の施設の近くにいる方がよりリアルな軍人の姿が見られるのは言うまでもありません。

憲法改正集団的自衛権を議論する時、
日米安全保障条約をどうすべきなのか?

かつて日本が独立国家だった時代の記録映像を見るにつけ、
今の日本の偽りの平和、偽りの防衛について愕然としてしまいます。

国防とはどのようにあるべきなのか?

ここにおける決定的な理念が欠如していると思っています。

ちなみに私が理想的なモデルとしている国は現時点では永世中立国家スイスです。

終わり