例えば、私の母は東北地方の某県出身なので、
「い」と「え」の区別が出来ない。
家田(いえだ)さん、などと言う人がいたら発音に未だに困っている。(笑)
また私の亡き父はバリバリの江戸っ子の家系なので、
「ひ」と「し」の区別が出来ない。
ちなみに私も未だに「菱形(ひしがた)」の発音が出来ない。(苦笑)
この感覚は面白いことに外国語にもある。
例えばスペイン語で、セビリアと言うスペインの都市名があるが、
これは英語の言い方だが、スペイン語での発音は「セビーリャ」もしくは「セビージャ」となる。
どちらの発音が正しいのかと言うと、
どちらも正しいのである。
つまりスペイン人は「リャ」と「ジャ」の区別が出来ないのである。
また、ギリシア語では「h」の発音が無い。
昔ギリシアと旅していた時、とても素敵なギリシア人女性のガイドさんだったのだが、
時おり「これは「と」を表しています」「この「と」の形は」と言うような表現を連発していた。
私はその時は既にギリシア語には「h」の発音が無い事を知っていたので、
類推して「と」とは「人(ひと)」の事だと分かったが、
多くの周囲の日本人は分からなかったと思う。
言葉の進化の過程で、地域的に発音されない音があるのは大変興味深い。
終わり