遭難とスマホと充電池と

先日、山梨県に登山に行った記事を書いたところ、
ブログ友達から「新潟の行方不明になった親子はどうなったのか?」
と言うコメントを頂戴しました。

その時点では続報がなかったため、
「まだ行方不明のままのようです」と返事をしていたのですが、
不幸な事に親子ともご遺体で発見されました。

昨日、この件について別のブログ友達が記事にしていて、
とても思うところがあるので書いてみたいと思います。

スマートフォンや携帯電話こそが最後の命綱となる

・しかし余りにも日常的過ぎる機器のためその認識が無くなってしまう

上記の2つになります。

昔から登山をやっている人は、
国土地理院の5万分の1、2万5千分の1の地図を必ず携帯して、
コンパスを使用しながら巧みに自分の位置を知り、
ナビゲーションをしていました。

しかし今は安価なGPSレシーバーが沢山あるため、
機器に頼る時代になっています。

自動車を運転する人がカーナビに頼り切りになっているのと全く同じ構造です。

GPSを使用したナビシステムは本当に優秀で、
それはスマホにも搭載されているため、
現代に生きる私達はその機器を当たり前の物として享受しています。

どんな場所に出掛けて行く時も、
スマホだけは忘れずに持って行くかと思います。

さて、ちょっと想像をして頂きたいのです。

遠方に外出中、突然カーナビが壊れてしまったら。

あるいは、遠方に外出中、スマホを忘れたのに気が付いたら。

相当困るかと。

少なくともそれ以降の旅の段取りが総崩れになってしまい、
つまらないものに成り下がるのだけは間違いありません。

それほど心が折れてしまうほどの威力をカーナビやスマホは今や持っているかと思うのです。

特にスマホはありとあらゆる機能が満載ですので、
忘れたり壊れたりしたら大変です。

しかしスマホの場合、忘れる壊れる以外にもう1つ厄介な事態があります。

「電池切れ」です。

素晴らしい性能を誇るスマホですが、
電池の消費量は激しく、大抵のユーザーは外出時には充電池も持ち歩いているはずです。

この充電池なのですが、
街中だと入手は非常に簡単です。

しかし当然山中では補充ができません。

登山の達人ほど持ち歩く物を軽量化しますが、
達人はそもそも用意周到なので問題は起こり難いので除外します。

「初心者ほど、スマホ充電池は3回分くらいフル充電できる物を持ち歩くべき」

山に軽装で来てしまう初心者に登山装備云々を説いても無駄です。

そもそも自動車でひょいと来て、
ひょいと登ってしまうのですから。

あるいはベテランであっても子連れの場合は極めて危険な状況になります。

従って、せめてものキャンペーンとして、
スマホ充電池の複数個の携帯」を推奨すべきであると私は考えています。

ちなみにスマホも複数あればもっと良い事になるのは言うまでもありません。

NASAは宇宙ロケットを飛ばす時に、
例えばボイジャー1号&2号、パイオニア1号&2号など、
必ず2機同じ物を打ち上げていたのを覚えておりますでしょうか?

これは何故なのか?

実は、もし予算的に可能ならば、同じ物を2つにした方が、
失敗する確率を格段に低くする事が出来るからなのであります。

2分の1ではないのです。

もっともっと低くなるのです。

つまり、登山をする時にスマホを複数携帯して、
充電池も複数持って行った場合、
破損や電池切れをほぼ防ぐ事が出来るのを意味しています。

今回の新潟県の遭難では当初携帯が繋がっていたそうです。

電波が入る場所だっただけに電池切れさえなければ助かっていたでしょう。

昔は登山する時は食料と飲料水の重要性が盛んに言われていました。

実際、スマホもネットも無い時代でしたからその時代ではその感覚が正しかったのだと思います。

しかし今やスマホ時代。

極端な事を言ってしまえば、
いくら食料や飲料水を持っていても、
道に迷ってしまえば、いずれは尽きてしまいます。

しかも日帰り登山の場合、
かなり早い段階で飲料水も食料も無くなるでしょう。

動けなくなったらもう打つ手はありません。

自力での歩行が困難になった時点でアウトです。

けれどもスマホさえあれば救助を要請する事が可能なのです。

スマホさえあれば、地図を起動させて正確な位置を知らせる事も可能なのです。

最も大切な物は今やスマホなのだと認識すべきであります。

だからこそ、何としても電池切れだけはしないと言う姿勢で登山に臨むべきである、と。

つまり安全策は1つだけではダメ。

2重3重に構築しておく必要がある、と。

終わり


余談:

先日行った山梨県の登山ですが、
私の場合の装備を参考までに書いておきます。

もちろん私は普段から登山に親しんでいるような者ではありません。

中高年の初心者です。

行った場所もハイキングコースと書かれていました。

しかし実際は「立派な登山コース」でしたが。(苦笑)

それでも気を抜かないで以下の装備で臨みました。

スマホ

歩数計を作動させておきたかったので電源はオフにせず。
(本来はオフにした方がいいと思います)

Wi-Fiはオフにして電池の温存をしていた。

SNS投稿なども控えて電池の温存をしていた。

充電池は3~4回フル充電できるように予備を携帯していた。
(単三電池使用タイプ)

・GPSレシーバー
(単三電池使用タイプ)

スマホとは別にGPSレシーバーを持って行き、
これはナビだけでなく軌跡保存のために常にオンにして記録していた。

これは1日中オンにしていても電池切れはしないので大丈夫なタイプ。

しかしもちろん交換用の予備電池を持っていたのは言うまでもない。

国土地理院2万5千分の1の地図、及びコンパス

何だかんだ言ってアナログ機器は結構頼りになる。

おおよその地形を予め頭に叩き込んでおいた。


補足:使用機器の充電池は、私の場合他の機器とも互換性のある単三電池タイプを使用しています。

災害時に最も補充が出来やすいので単三電池タイプを長年愛用しています。