究極の事態に必要な物とは

2005年のアメリカ映画に「宇宙戦争」というのがある。

これはトム・クルーズが主演で、
H・G・ウェルズ原作の小説を現代風に映画化したものだ。

内容は、人類よりも遥かに文明が進んでいる火星人が攻めて来て大暴れするもの。

離婚して今や時折娘と息子に面会できる貧しい男(トム・クルーズ)が、
子供達が自分の家にやって来ている時に火星人の大攻撃が始まる。

↓これがその場面↓
https://youtu.be/rYGWG2_PB_Q

さて、今回の記事で取り上げたいのは、
このような究極の事態になった時、
当然人は逃げなくてはならない。

この時「何を選択すべきなのか?」が、この映画で1つの回答を示してくる。

危機に際して逃げる時、最も大切な物は何なのか???と。

火星人の攻撃なんて参考にならないと思う人は早計だと思う。

映画では火星人だが、これを原発事故、巨大地震、巨大テロ、工場の大爆発、核ミサイルの飛来、戦争、超巨大台風、隕石の落下等々と置き換えた場合、
少なくとも「逃げなくてはならない」と言う点において全く同じになる。

動画の場面で、圧倒的な力を持った火星人の攻撃を見た主人公は、
迷わずに先ずは子供達のいる自分の家に向かう。

子供達を呼び、直ぐに逃走の準備を始める。

ありったけの食料と飲料水を箱に入れる。

次にしまっておいた「拳銃」を持ち出し携帯する。

そして家を出た後、自動車を盗み出し、子供達を乗せてともかく遠方に向けて逃げ出して行く。

これはアメリカ人の抱いている危機に際した時の行動パターンなのであろう。

私はこれは極めて正しい行動であると思っている。

戦後民主主義の中で生きる私達日本人は危機を想定していなかった。

けれども東日本大震災とそれに続く原発事故で初めてこの映画と同じように、
ともかく遠方に取り敢えず逃げなくてはならない事態に直面した。

前述したように原発事故、テロ、大地震、台風、戦争等々。

今の日本はかつてとは違う、戦後民主主義では絶対に乗り切れない様々な危険要素を抱え込んでしまっている。

本当の危機の時、どのような装備をして、何を優先させて逃げるべきなのか。

「自分と家族の命」→「食料・飲料水」→「あれば武器」→「移動手段(出来れば自動車)」

これがその1つの回答であるのかなと思う。

現代に生きる日本人は「命が大切」は理解できる。

しかし「食料・飲料水」は、実際のところ東日本大震災が起こるまで、
あまり切実に考えて来なかったと思う。

阪神淡路大震災の時は、被災しなかった人でも直後だけは意識していたが、
数年で装備の大切さを忘れてしまった。

次の武器に至っては未だに全く考えていない。

移動手段についても同様だと感じている。

地震の時は徒歩で逃げろと教えられている。

まあ、おそらく、渋滞を考えた場合、地震の際はこれは正しい判断だと思う。

しかし地震以外の危機の時は果たしてどうなのだろうか???

私達日本人は現段階ではこの緊急避難と言う事態について無力であると言っていいかと思う。

思考停止ほど恐いものはない。

終わり