六代目のヌード

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国立劇場(東京・隼町)の大劇場に行くと、
正面に大きな像が置いてある。

土曜日にテレビ東京の「美の巨人たち」で詳しくやっていた。

それが写真に挙げた「鏡獅子」平櫛田中作だ。

かなり巨大な作品だ。

平櫛田中は恐ろしくリアルな作品を作ることで有名だ。

そんな彼が依頼を受けて六代目尾上菊五郎の像を作ることになったそうだが、
実に20年以上の歳月かかかってしまったと言う。

途中、戦争もあり中断されていた時期もあったそうだ。

結果的に六代目はこの作品の完成を知らずに死んでしまった。

その制作過程においては、
着衣の歌舞伎の作品にも関わらず、
六代目に脱いでもらい、筋肉の動きも精密に再現させた裸体像を最初に作っていた。

もう既にかなりな歳であった六代目の裸体作品。

う~ん、と唸ってしまった。

若者のヌードとはまるで違うが、
さすがに鍛え上げられた名人の肉体は、
手足の筋肉など非常に隆々としたものだった。

観ているうちに、
私には男色の気は皆無なのであるが、
とても美しい像であると思えてきた。

そうしてその裸体像を踏まえた上で改めて完成された「鏡獅子」を鑑賞すると、
確かに内部の身体まで見えてくるような気がして、
俄然、像に生命が吹き込まれたように思えた。

先日、歌舞伎座市川海老蔵の「助六」を鑑賞したが、
この時、観た人のほとんどが「美しい」と表現していた。

私も海老蔵の演技を観て最初に思ったのは「いい身体をしている」だった。

役者と言う存在は観られるのが本業であるから、
名人であればあるほど身体のラインには気を遣っているのだなと感じた。

とかくヌードは女性の専売特許に思われているが、
男性もヌードには気を付けないといけないなと今更ながら思わされた次第。(笑)

土曜日の「美の巨人たち」。

とても良い番組であったかと思う。

終わり

↓参考動画:国立劇場内部正面↓

https://youtu.be/y0GKj9Ph0Zo