「奴らを高く吊るせ!」
1968年 アメリカ
落ち込んでばかりもいられないので、
気分転換に昨夜録画しておいた映画を鑑賞した。
小学生の頃、西部劇が大好きだったので、
今観たらどんな感覚になるのかな、と。
すると。
小学生の頃は派手な撃ち合いにのみ目がいっていたが、
今は全く違う感想を持ってしまった。
この映画は、西部開拓時代の準オクラホマ州が舞台。
無実の罪でリンチに遭い、殺されかけた元保安官の主人公が再び保安官となり、
自分をリンチした連中を追い詰めて行くストーリー。
非常に広大な当時の準オクラホマ州でも当初は60人の保安官がいて、
それでも足りなかったが、無法者の増加で殺される保安官も続出。
映画では19人の保安官と1人の判事だけで準州の司法を支えている現状だった。
はびこるリンチや犯罪。
全く追いつかない司法。
再び保安官になった主人公だが、
判事の、時に無実と思われる者でも吊るし首にする姿勢に反感を抱く。
しかし、どうしようもない現実の前に最後は妥協するシーンで終わる。
まだまだ法整備も治安維持のための警察組織も機能していない当時のアメリカ西部の様子が非常によく理解できる映画だった。
犯罪者を公開で吊るし首にする時は街を挙げてのお祭り騒ぎ。
西部開拓時代の感覚と現代の感覚が違うのは分かる。
しかし映画の作られた1968年の感覚と、
2017年の感覚も大きく変わっているのだ、とも思った。
とても興味深く鑑賞できた映画だった。
終わり